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乳幼児期学童期思春期凸凹っ子

小2女子 テストの間違いを嫌がります

小2の女子です。自閉症スペクトラム(ASD)と軽度のADHDがあり、通常級に在籍しています。 娘はテストやプリントの間違い(×)をとても嫌がります。先日は怒ってプリントをぐしゃぐしゃにしてしまいま した。そんなに悔しいのなら勉強すればと声をかけますが、グズグズしています。どうしたら良いでしょうか。


お嬢さんの行動の裏にはどんなメッセージがあると思いますか?ご相談を拝見して、我が家の次男(ASD+軽度知的障害・通常級+通級25歳)と重ねてしまいました。次男も同じ様な行動を起こしていました。その当時のことを思い出すと今でも胸がチクリと痛みます。 それは小1の2桁の足し算でした。繰り上がりがイメージしづらかったのか✘がつくのはその問題です。
ここで算数が嫌いになっては…と、「✘を一緒にやっつけるぞー♪」とグジグジしている息子と早速対策を打つことにしました。次男は視覚優位の特性があるので、おはじきで簡単な足し算、10の塊になる足し算。そして、一の位で繰り上がったときは十の位の数字の上に繰り上がった数字の補記(視覚化による記憶補助)を教えました。と、文字では簡単ですが、ここに行き着くまでが大変!兄弟は学習習慣づけのため夕食後、私と一緒にリビングで過ごし、次男は宿題+好きな科目で30分(大概お絵かき)が日課ですが、その時間が算数に。随分時間もかかりましたが、やっと本人で補記ができ、解き方が解って良かった!ここまで頑張ったね!と二人でハイタッチも束の間、問題が起こります。 テストの答えは合っているのに✘がついて返されたのです。次男は混乱し、ダメなの?とプリントをぐしゃぐしゃに。担任に頑張りが認められず、寂しかったのかも知れません。担任に訊くと指導しているやり方ではないからとのこと。テスト用紙にある補記の数字や◯印でそう判断されたのでしょう。私はとても悲しくなりました。赤ペンの✘印が私達を否定しているようでした。「大丈夫、答えの出し方は沢山あるんだよ。間違っていない。頑張ったね。」と次男を慰めました。数日後、通級の帰りに校長先生に声をかけられたので、少し気が引けましたが、この件についてご相談しました。すると直ぐに担任に声をかけて下さり、三者面談。私が心配していたのは、今回の件で息子が算数を嫌いになること。自分への自信が揺らぐこと。やれば出来ると分かって欲しい。今は彼が理解できる方法で自信をつけさせたい。受け止めてくれないだろうかとお願いをしました。先生方は頷いてくださいました。まだ『合理的配慮』という言葉がない時代の出来事です。彼は大丈夫と言われ、安心したようでしたが、赤ペンでの✘や修正、否定的な言葉には過敏に反応するようになり、2年の時は、間違えた問題には✘印は無しという対応でした。

間違いや失敗への恐れが強く、完璧主義。これは発達障害特性のこだわりの一つです。 そして嫌な体験は記憶に永く鮮明に残り、彼らの足枷になることもあります。 今回は強みの視覚優位が裏目に。鮮明な赤の✘は一瞬で彼らを否定するのでしょう。 次男は✘を見ると自分が否定されたよう感じ、顔をしかめます。 でも✘や失敗があるから、それに挑戦して乗り越える楽しさ、嬉しさを多く体験してほしい。 そして、「まっ、こんな時もあるさ」と✘や失敗を小脇に抱えてもOKという逞しさもいいですね。

さて、あなたはお子さんにどのように✘や失敗と付き合って行って欲しいですか? そのためにあなたがサポート出来ることは何ですか? まずは、一番最初に頭に浮かんだことを試してみませんか? 応援しています!