活動記録

プログラム当日の様子や概要などをハートフルコーチがお伝えします

第51回ハートフルクラブ


2023年7月9日(土)、第51回ハートフルクラブ「子どもが育つ環境づくり―今、私たちにできることー」をオンラインにて開催しました。
講師としてお招きしたのは、「政治学者、PTA会長になる」の著者・専修大学法学部の岡田憲治教授、そして大田区立嶺町小学校でPTO団長をしていらっしゃる久米雅人さんのお二人。講師の肩書からして「どんな体験をされたの!? PTOって?」と、参加している皆さんのワクワクがオンラインでも伝わってくるようなスタートでした。

早速ブレークアウトルームに分かれて、参加者同士でPTAに関する印象や体験を語ります。するとネガティブな声だけでなく、「働く保護者でも活動できるように改革中」といった声や、「PTAに夫婦そろって積極的で、充実していたのでまたやりたい」といったポジティブな声まで聞こえ、どうやらPTAが変わり始めていることが参加者の声からも伝わってきます。

ディスカッションの後、岡田先生からPTA会長として過ごした3年間のお話をいただきました。
まずおっしゃったのは、「PTA活動のひとつひとつはそんなに大変ではないですよね」ということ。「確かに」と頷きつつ、ではなぜ私の中で「やりたくないな」という気持ちがあるのかと考えいたところ、続けて話されたのは「PTA活動と聞いてブルーになる根っこの原因」としてのPTAの世界で起こる「それ意味あるのかな」といった気持ちのモヤモヤ。卒業まで人間関係が続くからという忖度で、吐き出せずにモヤモヤが残ってしまうから。また大きく「確かに」と頷きました。

続けて岡田先生が話されたのは、PTAとは本来任意団体であり、「出入りも運営も自由にやっていい幸せの仲間づくり」だということ。そして「先生たちが大変な業務環境の中、少しでも運営を手伝って応援するために活動すると思えば良い。祖父・祖母含めたたくさんの人の中でやれる人がやれることをやったら、みんなが幸せになるのでは」という提言でした。
このスタンス、特に先生の応援団というPTAという捉え方を聞いた時、PTAの活動に関する興味がぐっと上がったのを感じました。

次にお話をいただいたのが、PTO(Parent TeacherOrganization)=楽しむ学校応援団の団長として嶺町小学校で活動されている久米雅人さんでした。
自己紹介の中で、PTOは完全ボランティア制、保護者が子ども達のためにやりたい活動を行っている、河川敷で保護者と児童で「逃走中」ごっこをしている、といったお話が次々と出てきて、「どういうこと?」といった疑問が沸き上がってきます。

その後、ブレークアウトルームに分かれて久米さんに直接聞いてみたい質問について話しました。
話し合い後、「保護者の入れ替えがあるなか、どうやって団体を継続していくのか」といった現実的な質問に、久米さんが活動の工夫を具体的に説明してくださいましたが、そのなかで楽しそうに語られたのが「仕事でできないことを試せる場としてPTAを使う」ということ。
岡田先生が前半で「PTAという場で楽しげにやっている姿がまわりに見えれば、みんなが活動に参加しにやってくることがわかった」とお話しされたことを体現しているのが、まさに久米さんだと感じました。

最後に岡田先生から改めて話されたのは、子どもが育つ環境づくりとは、大人がエンジョイしている環境をどう作るかということであり、その姿を見た子ども達は立ち居振る舞いが変わるという、大学生を見ているからこそ出てくる非常にリアリティのあるお言葉。
さらに、「PTAを大人が楽しむ場、大人の原っぱと考えたら」という提言をいただいたところで、最後に代表理事・菅原が「PTAが大人たちの遊ぶ場になったら最高!」と締めくくり、とても晴れやかな気分で終わる時間となりました。

ハートフルコーチ・秋岡美奈子 




2023年07月15日(土) No.295 (ハートフルクラブ)

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