活動記録

プログラム当日の様子や概要などをハートフルコーチがお伝えします

第53回ハートフルクラブ


2024年3月20日。コロナ禍以降、オンラインで開催されていたハートフルクラブが、4年ぶりに対面で開催されました。場所は東京都世田谷区の玉川区民会館。
テーマは、「子どもの心のコーチング」。講師は当法人代表理事の菅原裕子です。

この講演会は、菅原自身が書き下ろした「子どもの心のコーチング」(PHP文庫)をもとにハートフルコミュニケーションの基本的な考え方と具体的な子どもとのかかわり方を2時間でお伝えするプログラムです。
今回、久しぶりの対面での開催とあって、73名もの方に参加して頂けました。その中には地方から駆け付けた方も多数いらっしゃいました。私もその一人です。

私は、コロナ禍になってから、オンラインでハートフルコーチ養成講座を受講しました。そして、ハートフルクラブもオンラインで開催されたものしか知りません。
だから、今回、対面開催されると聞いて、会場で行われる時はどんなふうに進行されるのだろう。参加者の反応はオンラインの時とはどう違うのだろう。私も他の参加者と一緒に会場での臨場感を味わってみたい。そんな気持ちになり、大分から上京することを決めました。

ハートフルコミュニケーションでは、「親が子どものコーチになろう」と提案しています。
講演のはじめに、「予想のつかない未来。自立して、いつの時代でも生きていける子どもを育てよう」という話がありました。そして「あなたより、あなたの子どもの方がはるかに前を進んでいる。今の時代を親よりも知っているのは子どものほうだ」という言葉を聞いた時に、自分が育った時代の価値観をそのまま子どもに教えようとして、口うるさく言っていた頃のことを思い出しました。
もしもあの時、自分と子どもの生きる時代の違いを受け入れられていたら、子どもに対して今とは違う接し方をすることができたかもしれません。と同時に、今を生きる子どもから教わったこともたくさんあったことも思い出しました。

講演では、子どもの成長に合わせて親の役割を変えていくことや、子どもに教えたい3つの力について、スライドも用いて分かりやすい説明がされていて、みなさん、頷きながら話を聞かれていました。
講演の終盤では、参加者同士が親と子どもになりきって、「子どもの言葉に親はどんなリアクションをし、その反応を子どもはどう受け取るのか」という、オンライン講演では行われなかった「聴くワーク」も行われました。みなさん、熱演されていて、会場は大盛り上がりでした。

そして、その言葉を聞かされた子どもの立場から気持ちをシェアしてみると、子どもの発言に対しての親のリアクションによって、子どもは否定された気持ちになる、腹が立つなどの声があがりました。
「こんなにも親が求めていることとは反対の結果を生んでしまうとは!」と、ハッとさせられたのは私だけではなかったことが、会場のどよめきからも伝わってきました。

では、子どもにどんな反応をすれば良かったのでしょうか。
子どもの気持ちに寄り添う話の聴き方も教えてもらいました。その方法を使った親の言葉を子どもになりきって聞いた時、「親からきっと、叱られる」と身構えていた心がふわっと解けていくのを感じました。
他の参加者からも「自分の本当の気持ちを話してみようと思えた」という感想が出ていて、子どもとの会話の扉を開けるかどうかは、親のリアクション次第なんだということを実感しました。

今回、ハートフルクラブに対面参加してみて、オンラインでの講演とはまた違った、会場ならではの一体感を味わうことが出来ました。
この講演会での気づきを、自分の子育てにも取り入れてみようと思います。

ハートフルコーチ・岩坂喜美



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