ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

戦いごっこ


渡辺さんの、『私の普通はみんなの普通?』を読んで、私も
相手の立場や気持ちに寄り添った行動をとることがカギだと思いました。
そこで、思い出された先日の出来事を書きたいと思います。

息子の通う幼稚園で10月生まれの子を祝うお誕生会がありました。
お誕生会では、壇上で、一人一人が園長先生にいろいろと質問されて答えることになっています。
息子は10月生まれ。園長先生に何をきかれても答えられるように練習したいと言うので、何日も前から「お名前をおしえてください」「何月何日生まれですか」「幼稚園ではいつも何をしてあそんでいますか」など、園長先生にきかれそうな質問に大きな声で答える練習を家で頑張っていました。
ちなみに、よくする遊びをきかれると息子はいつも、『ブランコ』と答えていました。

そして、当日。
15人くらいの子が壇上に上がっている中で、息子の出番は5番目。
前の4人への質問では、大体同じことをきかれ、好きな遊びをたずねられると男の子3人は、
全員『戦いごっこ』と答えていました。そして、息子の番。

園長先生:「お名前をおしえてください。」
息子:大きな声で自信満々に答えました。
私:(かっこいい!!)
園長先生:「お誕生日はいつですか。」
息子:これまた、大きな声で答えていました。
私:(練習の成果が出ているわ。良かった!)
そして、順調に答えていたいくつかの質問のあと、
園長先生:「幼稚園では何をして遊ぶのがたのしいですか。」
息子:「戦いごっこです。」
私:(みんなの真似?!まあ緊張しているし、しっかり言えたから・・。)
すると、
園長先生:「みんな戦いごっこ好きだね〜。他に好きな遊びはないかな?園庭ではなにして遊ぶの?」と息子に変化球?!
それまでは、間髪入れずに受け答えをしていましたが、
息子:「・・・・・・。」
私:(いつも、おうちでの練習で『ブランコ』って言ってたじゃない!頑張れ〜!!)
とても長〜く感じた沈黙でした。結局息子は答えられず、
園長先生:「戦いごっこが好きなんだね。お誕生日おめでとう!」
息子の出番は終わりました。

私は、とてもとても残念で、腹立たしくもあり、イライラしながら家に帰りました。
幼稚園にお迎えの時間まで、1時間くらいありましたが、このままでは、息子に私の残念な気持ちをぶつけてしまいそうでした。
そこで、冷静になるために、息子の立場になって考えてみることにしました。(今頃、息子は落ち込んでいるだろう。たくさん練習したのに発揮しきれずにおわってしまって、悔しいだろう。前の子たちと同じ『戦いごっこ』と答えて、後悔しているかもしれない)
などなど、私以上に残念であろうことが想像できました。すると、(息子のできたところに目を向けて、励まそう!)と気持ちが変化しました。

その後、幼稚園にお迎えに行くと、案の定、下を向いて膝を抱え、わかりやすく落ち込んでいる息子がいました。
「大きな声でお名前が言えていたね!!姿勢もぴしっとしていてかっこ良かったよ!」と伝えると、息子は泣くのを我慢している様子で何も言いませんでした。
帰ってから、「最後まできちっと答えられなくて残念だったんだね。練習の時みたいに、かっこ良いところをみんなに見せたかったんだね。悔しいね」と息子の気持ちを想像して伝えてみると、
「うん。悔しい。」と一言。
そして、我慢していたものが溢れてきたのか号泣していました。
私も「最後の質問に答えられなかったのは、ママも残念だったけれど、他の質問は完璧だったよね! 練習頑張ったものね! かっこよかったよ!!」と改めて気持ちを伝え、その後2人で笑顔でおやつを食べることができました。

もし、お友達の真似をしてそのまま無難に受け答えが終わっていたら、もしかしたら、『適当に、その場しのぎにやり過ごすことは楽で良い』といった認識が息子の中に育ってしまっていたかもしれないし、息子の中でいろいろと考えることもなかっただろうと思うのです。私が息子の気持ちに寄り添って励ますという機会も。
だから、息子の頭で考えた答えでなく、みんなと同じ『戦いごっこ』と答えたことを園長先生が、そのまま良しとしなくて本当に有難かったなあと思います。

次は千葉の『かずぱる』こと藤田和枝さんです。バトンを渡しま〜す!

埼玉県/斉藤由美子 





                             

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