ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

仕事と子育てについて、今思うこと


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おかげさまで、このブログも10年目に突入しました。
この間、リレー形式で多くのハートフルコーチが自身の子育てや日常を執筆してきました。そこでこの節目に、過去に執筆したコーチが飛び入りで日記を綴りました。テーマは、仕事と子育て。以前、記した
「生き生きしてる?」の続編ともいえる日記です。
そして、この日記を話のタネに読者同士で語り合う「第9回 オンライン ホッとカフェ」を2月に開催しました。当日の様子は「活動記録」でお読みいただけます。
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神奈川の森屋です。

大下さんの「これからが、これまでを決める」は、今、私が感じている事そのもの!と受け止めました。

私は今、伊勢原市の子育て支援センターに勤務しています。
先月「子育てと仕事について」をテーマにおしゃべり会を開催した時、働きながら子育てをしている参加者の話を聞き、私は「過去の自分」と「今の自分」について向き合うことができました。

このコロナ禍で子育て支援センターの利用は予約制で、感染防止対策のためイベントも中止しているので、以前のような賑やかさはありません。それでも、私の目標である「子育て支援センターでハートフルセッション開催」は、昨年から「オンライン子育ておしゃべり会」として動き出しました。Zoomミーティングを使ったおしゃべり会では、参加者自身の気づきや子育てのヒントを得たり、悩んでいるのは自分だけではないとホッと安心したりする場になっています。
働く母親たちの様々な思いも聞きました。
「子育ては大変だけど、どうしてもこだわりたい事がある」「仕事にこだわりたかったが、子育てのために手放した」「子育て中なのに、やりたいことがあるからと仕事をしていてはいけないような気がする」
その声に、罪悪感に苛まれた過去の自分を重ねました。「お母さんが頑張っている姿を子どもはちゃんと見ているから!」と伝えながら、自分にも言い聞かせたような気がします。

私は10年前、長年勤めた公立保育園から、市役所の事務職となりました。
保育士から慣れない事務職となってしばらくは、できない事が多すぎるのと、やりたい事ができない苛立ちで落ち込むばかり。家に帰っても愚痴ばかり言っていました。そんなある日、当時10歳の息子から「保育園にいた時の方がママは生き生きしてた」と言われました。
保育士でも事務職でも、子育てと仕事で毎日バタバタしているのに変わりはないのに、今の自分は生き生きしていないのか・・・と情けなくなりました。「子育てよりも仕事を選んでいるママはダメな母親だ」と言われているようで、仕事をしている事に罪悪感も覚えました。何故なら、仕事のことばかり考え子どものことを見ていなかったのです。帰宅してもプリントに目を通すだけで精一杯、子どもとの会話も「お風呂に入って早く寝なさい!」の毎日でした。

子どもの目に「生き生きしてた」と映っていた頃の私は、子育てが充実していました。子どもたちの「できた」が増える度に喜び、些細な事でも見逃さずに「できたね!」と認めることが楽しかったのです。すると仕事に対しても、充実感を味わうことができました。自分の仕事をただこなすだけではなく、職場でも同僚に目を向け、些細な事でもその場で感謝の言葉を伝えたり、保育園の保護者の頑張りを認めながら寄り添ったりする事で、働いている時間も楽しかったのです。

やりたい仕事とは違うからと、もがいていても仕方がない、『焦らず今やるべき事、頑張りたい事をやる』と切り替え、今は子どもたちと過ごす時間を楽しもうと思いました。
そして、保育士の頃は休みが取りづらく、ずっと断っていたPTAの役員を引き受けることにしました。すると学校行事に詳しくなり、クラス全員の名前も覚え、子どもと学校の話題が増えました。毎年役員が決まらないPTAでも「こんな良い事があったのか」とやっと気づき、「仕事をしている人でも参加しやすいPTAにしよう!」と、先生達と話し合うことも楽しかったです。私の姿を学校で見かけると、子どもも喜んでくれました。再び子育てが充実してくると、仕事にもやる気が出てきました。今与えられた仕事を頑張り、目標達成は10年後。その時「今のママは生き生きしてる!」と子ども達に思ってもらえるように。

あれから10年、念願だった子育て支援センターには、5年前に異動となりました。
振り返ってみると、私が働いていることで子ども達から「寂しかった」と言われたことはありません。「あの時のママは生き生きしてた」は、「もう少し僕を見て、そしてまた生き生きした姿を見せて!」という私へのエールだったのだと思います。
息子は成人し、もう「できたね!」と言うことはなくなりましたが、それを言えたあの楽しい時期は、今思うとあっという間。仕事が一番大変な時期ではありましたが、それでも目標を手放さず、「今の自分が頑張れることで生き生きする」と決めて続けてきました。今、仕事をしていた事に後悔も罪悪感もありません。それは、自分なりに子育てを充実させ、楽しむ事ができたと思えるから…。

子育てを頑張る時期や、仕事に集中できる時期は、一人ひとりタイミングは違うけれど、それぞれに子育てをしながら働くことの意味があり、様々な思いを抱え頑張っています。そんな母親たちを「応援したい」という気持ちが溢れました。
それでは、中溝さんにタスキを渡します。

神奈川県/森屋弘美  



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この日記を題材に読者同士が語り合った「第9回 オンライン・ホッとカフェ」の様子をお読みいただけます。
2022年01月10日(月) No.546 (日記)

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