ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

いも虫のお母さんになってみた


成長した頼もしい息子との何気ない会話は、母親の醍醐味ですよね。
森屋さんの幸せそうな穏やかな笑顔が目に浮かびました。

さて、息子達が自立した後、夫婦気ままに暮らしている我が家に、
小さな赤ちゃんがやってきました。いも虫ですけど・・・。

Aさん 「櫻井さんちの庭に、山椒の木ってありますか?」
私   「うん、あるよ」
Aさん 「無農薬?」
私   「もちろん!」
Aさん 「アゲハの卵を見つけてもらえませんか?」

6月初めの昼下がり、知人との何気ない会話から
私のいも虫のお母さん体験は始まりました。
聞けば、Aさん(教師)、小3の『チョウの一生』の授業教材にする幼虫を
ずっと探しているそうな。彼女曰く、
「一応、キャベツについている青虫は確保してあるんですが、
私は、でかくてインパクトが強いアゲハの幼虫を使いたいんです!」

大人の指ほどの圧巻の太さ! 頭のあたりに目と見間違う大きな模様を持ち、
危険を察知するとオレンジ色の角から臭い液を噴射する。
それがアゲハの幼虫・・・。Aさんは熱く語ります。
その話!のった!と、翌朝からいそいそと卵の採取任務に就きました。

ひと枝ひと枝、葉を裏返しながら卵を探し続け、1週間でやっと1個、
1ミリほどの小さなクリーム色の卵を見つけました。
落とさないように卵がついた枝を折り、コップに水をはり、枝をさして窓際へ。
週末に先生が迎えに来るまで、私は母の気持ちで虫を見守ります。
5ミリほどに成長すると、少し動くようになってきました。

(ほらほら、こっちの葉っぱの方が柔らかくておいしそうだよ!)
(あ! そっちは葉っぱが無いよ! 落ちちゃうよ!)

5ミリいも虫君が葉っぱから落ちそうになると、いつでも落ちてもいいように息を殺して
落ちるかもしれない!?位置に葉っぱをスタンバイして待つ私。
ドキドキ・・・

しかし当のいも虫は、私の心配をよそに、ゆうゆうと身体を伸ばして方向転換。
何事もなかったかのように、もと来た道を戻ります。
葉っぱをつまみスタンバイしていた私は、ホッとしつつも心の中で苦笑いです。

(私ったら! なんて過保護なお母さんなのかしら!)

いも虫の成長もさることながら、そんな自分に驚きでした。

息子達を育てている時は、こんなに過保護ではなかったはず。
それなのに、なぜいも虫には躊躇なく過保護になれるんだろう・・・。
きっとそれは、いも虫の将来に私の責任がないからだ!
いも虫が、将来立派な自立したいも虫になるために、私は何ができるか?
な〜んて、思わないものな〜と。

かたや、我が子が将来幸せに自立できるか否かは、責任重大!
なぜなら、幸せに生きる術を教えることは、親である私の役割だから。

何を、いつ、どうやって教えるか?
息子たちを育てながら、悩みもがき苦しんでいた私。
転んでも痛くないふわふわのマットを敷く方が簡単だったけど、
ぐっと我慢していたあの頃。

とても辛かったけど、それだけ彼らの事が大切で真剣に向き合っていたんだよ。
がんばったぞ! 私。
と、いも虫の赤ちゃんにでれでれしながら、当時の自分につぶやいた昼下がりでした。

お次は藤野さんです。お元気ですか?

新潟県/櫻井美奈子 







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