ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

10年越しのギフト


埼玉の岩田です。
安村さん、断捨離のツールゲットおめでとうございます。そして怖さを乗り越えてのトライのお陰で、使わなくなった物も再び陽の光を浴び、ハッピーなお話しでした。

私は、初めてコーチングが役に立った話を書きたいと思います。
「ママに頼ってばかりでいけないと思う。自立をしたいから一人暮らしをしたい」
と、昨年度から娘は一人暮らしを始めました。
その時の私は淋しい気持ちは多少ありましたが、娘が自分から家を出て行くと言ってくれたことに内心ホッとしました。いつも一緒に居ると娘ができることでもついつい手を出してしまい、本当に必要なことを分かってあげられていないと思ったからです。離れることで、分かることがあるだろうと、一人暮らしには大賛成でした。

引っ越しが落ち着いた頃、時々遊びに行き、お喋りするようになりました。
娘は「家にいるときは何もしなかったからわからなかったけど、一人で暮らしてみて自分ができることに気づいて嬉しい」と自信が付いたようでした。娘の嬉しそうな姿を見て私も安心しました。

その後、娘はサークルに通ったりお友だちと遊んだりと忙しい日々を過ごせていたようですが、ある日、電話がかかってきました。
はじめは普通に話していたのに、次第に声が小さくなり、泣いているようでした。泣いている理由は、スケジュールを詰め込みすぎて、学校のレポートとサークルの先輩に渡す色紙を書く時間がないとのこと。

以前の私だったら、落ち着いて話を聞くことはできなかったかもしれません。しかしその時は、娘の問題に動揺せず、「きっと乗り切れるはず」と娘を応援したくなりました。そして具体的な話を聞くことができました。娘は、話をしたことで状況を少し整理できて安心したのか 、「やってみる」と電話を切りました。
それから数日後、「だいぶ心に余裕ができたよ。ありがとう」と嬉しい報告がありました。
娘にコーチングができたこと、そして役に立てたことが本当に嬉しかったです。

コーチングを学ぶ前は、話を聞く際に子どもたちのことよりもすぐに自分の世界に入り込んでしまっていました。
自分が興味関心があることにはすぐにアンテナが立つのに、少しでも分からないワードが出たとたんに耳に蓋をしたようにスルーしてしまっていました。これではいけないと神経を集中しても、緊張しすぎて逆に聞けなくなる・・・しかも興味がある話になると相手の話を遮って自分の話をしてしまうといったクセがありました。

コーチングを始めたのは、子どもたちが小学生の頃です。
娘との関係で悩んでいろいろな本を読み、その中の一冊が
『子どもの心のコーチング』(菅原裕子著)でした。そこには子どもに寄り添った子育ての方法がたくさん詰まっていました。
子どもとの関係もうまくいかず何もかもうまくいかない状況を改善したい一心で、ハートフルコーチ養成講座を受けました。

講座ではコーチングを練習する機会がたくさんあり、私もクライアント役としてコーチングを受けていくうちに、「自分で考えて自分のやり方で試してみる」ことの喜びを知りました。さらに、私が話したい話を興味関心をもって聞いてもらうことも、初めて経験しました。
これは、子どもたちにも経験してほしいと思いました。

ところが、子どもたちにコーチングを試してみると、なかなかうまくいきませんでした。何か問題が生じたとき、その問題で困っているのが子どもなのか、私なのかをハッキリ区別できずにいたからです。
子どもが困っていることに、「何かしてあげなければ」と私がとっさに動いてしまうか、または子どもを誘導するような問いかけをしていたため、子どもたちは、「コーチングしようか?」と言うと「いやだ」と私を避けるようになってしまいました。子どもたちとの距離はどんどん離れていくばかりです。

そこで、子どもたちの話に耳を傾けるようにしてみました。
すると、私としては普通に話していたつもりなのに、子どもたちから「なんで怒ってるの?」とか「あ、今聞いていなかったよね」という反応が返ってくることに気づきました。これは後から子どもたちに聞いたことなのですが、当時の私はお説教ばかりしていたので子どもたちは空返事をし、その態度に私が腹を立てていたようなのです。怒っていることを指摘された私は余計に苛立ち、「怒っていない!」と言ってみたものの・・・あれ? でも私やっぱり怒ってる?
初めて、怒っていることを自覚したのを覚えています。

それからは、話を聞いていないときには聞いていなかったと伝えるようにしました。そして、私が子どもたちと会話するときに「聞く」ことを意識するようになってからは、どんなふうに子どもたちに振る舞っていたのかも振り返ることができるようになりました。子どもたちとの距離も少しずつ縮まっていったように思います。

子どもたちとの関係を作るには、こちらが素直になること。
子どもたちはその反応を通して、私に「ありのままの私」を教えてくれていました。聞いていないことを聞いているふりをしていても、子どもたちにはバレバレでなのでした。
もともと人付き合いも苦手で、人とのコミュニケーションで苦労していましたが、子どもたちには、いつも素直な反応を返してくれて本当に有り難い存在だと思っています。
それでは次の、渡海さんへバトンを渡したいと思います。

埼玉県/岩田元子 

 



2024年02月19日(月) No.659 (日記)

No. PASS