ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

やってみた! 家族会議


我が子を信じるお母様の態度から小さな鈴木さんがお母様との信頼関係やご自分の信念を築いていった過程を追体験させてもらって、私は親として子ども達に何を残せているだろう?と考えさせられました。

石川県の石垣です。さて、みなさんは【家族会議】をご存知ですか?
【家族会議】とは、問題を解決し、より楽しく快適に過ごすために家族みんなで開く話し合いのことだそうです。今日は我が家で始めた【家族会議】について書きたいと思います。

4月から6年生になる息子はとってもマイペースで、自分がやりたいこと以外はなかなか腰が上がりません。例えば、食べたお菓子の袋や、使い終わったマスクなど、ゴミ箱の場所や分別方法は分かっているのですが、捨てずにリビングの机や床、時にはソファーの下に散らかしているのです。他にも、制服は脱ぎっぱなし、脱いだ洋服が裏返ったまま洗濯籠に入っているなど、何度注意しても直らない行動の数々。

「またか…。」という失望とイライラが入り混じって、私は嫌味を言ったり、時には大きな声で感情的に怒っていました。温厚な夫も時には声を荒げてしまうほどの息子の行動に、夫婦共にほとほと困っていました。そこで、私は【家族会議】を開こう、と思ったのです。家族会議を知った当初は、話し合い学習が好きな息子にはいいかも!と思ったものの、「なんだか面倒くさそうだな…」と感じていて、2年越しの決心でした。

夫は基本的にNOとは言わないタイプなので、まずは息子を家族会議に誘ってみました。成長してできることがたくさん増えて嬉しいこと。一方、ルールを守ってくれないことがあって、いつも怒ってしまうこと。でも、本当は怒りたくないし、気持ちよく過ごしたいと思っていることを伝えました。

少しうつむきながらも「うん…。」と聞いていた息子に、「家族会議っていうものがあるんだけど…」と続けると、息子は、パッと顔を上げて興味をもった表情。
《ここで息子の困った行動にスポットを当ててしまうと、きっと嫌になるだろうな。家族会議なんだから家族全員の目標になることをテーマにしよう》と考えました。そこで、「“家族みんなが気持ちよく過ごすためにどうしたらいいか?”について、家族会議しない?」と訊くと、「うん!」と返事が返ってきました。
そして、息子と一緒に夫を誘い、翌日に初会議をすることが決まりました。

でも、息子は怒ると怖い父親との会議に少しドキドキした様子。そこで、2人で事前の打ち合わせをすることにしたのです。
「◯◯は家族が気持ちよく過ごすためには、どうしたらいいと思う?」と息子の意見を聞くと、「ちょっと待って」と紙と鉛筆を持ってきてメモを始め、いくつもの意見を書きました。その中に「ゴミをゴミ箱に捨てる」が出た時、私は思わず心の中で《お!》と叫びました。改めて、息子も頭では理解しているんだと感じた一幕でした。
意見がたくさん出たので、「この中のどれがすぐ出来そう?」とさらに質問すると、息子は3つの項目に絞りました。「じゃあ、これで話してみようか?」という言葉に、息子は清々しい顔で頷き、打ち合わせを終えました。

いよいよ家族会議の当日、私は息子と夫それぞれの意見や決定を尊重するように意識して臨みました。息子は時折り嫌そうな顔やバツの悪い顔を見せながらも、一方的に怒られるのではない『話し合う』場に積極的に参加していました。夫はというと…いつもより素直に話を聞く息子を前にアレもコレもと要望しようとするので、苦笑いする私が冗談ぽく嗜める場面があったりと、重い空気にならずに進んでいきました。

意見が出揃うと、その中から実際にやってみることを決めます。まずは息子に訊くと、『ゴミをゴミ箱に捨てる』がみごとに入選!抽象的な『ちゃんと捨てる』ではなく、不要になったその時にすぐ捨てる、分別が分からない物は一旦△△に置いて確認したり教えてもらって捨てる、など息子が迷わず実際に行動できるように、具体的にとる行動を一緒に考えて決めました。

そうやって決まった数個の項目は全て息子の困った行動なのですが、夫と私も他人事ではなく『家族全員』の取り組みです。だから、息子がとる行動だけではなく『家族みんなが気持ちよく過ごす』という共通の目的を果たすために、私たち親はどんな協力をすれば息子が行動しやすくなるか?に目を向けて、それぞれができることを考えました。

「できた時にもっと褒めてほしい」という息子のオファーに、私も夫も同意し、私と夫の取り組みは『たくさん褒める(できたことを認め、言葉で伝える)』ことに決めました。もちろん、具体的なやり方はそれぞれ異なりますが。
やることが決まったので、後は実行あるのみ!やってみた結果を振り返るために次回の家族会議を1週間後と決めて、初めての家族会議を終了しました。

満足気に「やること」を書いた紙を壁に貼る息子。話し合い学習が好きな息子に合わせて【家族会議 】 というやり方を取り入れて大正解!今まで何度怒っても右から左に聞き流していた息子が、今回の家族会議では自分事として前向きに考える姿が見られました。

問題(と親が感じている事象)をもっている息子だけが頑張るのではなく、家族全員に共通する目標を掲げて、各々が出来ることを考えた今回の家族会議。同じ方向を向いて一緒に考え・決める一体感の中、家族は1つのチームだと強く感じました。息子も『家族』を構成する大切なメンバー。『子どもだから』と親が決めたり押し付けるのではなく、チームの一員として尊重して対等に関わったからこそ、息子は自分事として受け止めることができたと思います。

翌日、私は息子の待つ家へ帰った時、目につくゴミが落ちていないリビングを見て「うわ〜、キレイ!」と思わず叫んでしまいました。次回の家族会議のテーマは『決めた取り組みをやってみてどうだったか?』。開催が今から楽しみです。

では、この辺りで平沢さんにバトンをお繋ぎします。

石川県/石垣恵美



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