ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

どうして片付けようとしないのか…


娘さんの態度に対するモヤモヤした感情がどこから来るのかを深堀し、ご自身の反応をしっかりと受け止め進んでいるチャウさんの日記を読んで、相手だけでなく自分の感情ともしっかり向き合うこと、そして受け入れることの大切を改めて感じました。
我が家の娘も同じ歳頃、良い関係を構築するうえでの参考にしたいと思いました。

タイの瀧澤です。
1年半くらい前、リビングルームの机や棚の上が娘の物で散らかり、私が「片付けなさい!」と言うことが続く、「片付けバトル」が勃発している時期がありました。
当時10歳の娘は家にいるほとんどの時間をリビングルームで過ごしていました。動画をみたり、創作活動をしたり、読書をしたり、好きなことを自由にするのは良いことなのですが、「まだ使うから」「明日も続きをやるから」と、使ったものを出しっぱなしにするのです。

まだ使うなら、と私もそのまま見守ることにするのですが、それが何日も続くうえに、範囲がリビングテーブルからダイニングテーブルへとどんどん広がっていき、「いい加減に片づけて!」と私のイライラが爆発する、そんな状況が続いていました。
リビングルームの机は家族で共有するのだから、皆が快適に過ごせるように片付けてほしいと伝えていました。何度言ったらわかるのか、どうして片付けようとしないのか、私には理解できずにイライラが募っていました。

丁度そのころ、ハートフルコミュニケーションの
エニアグラムの講座に参加しました。そこで、人はそれぞれ生まれながらに持っている気質があり、気質によって考え方や行動の傾向、感じ方や受け取り方が違うということを学びました。
講座の中で話し合う機会があり、私が「部屋が散らかっていて困ります。机の上も棚の上も余計なものがあるのは嫌です、いつも余計な物がない状態にしておきたいのです」と話したら、他の参加者の方々から「面白い! そんなふうに考えたことなかった! 私は全然気にしない」「私は、物は出しておきたい」という意見をもらいました。この時にふと、娘はどう感じているのだろうという疑問が浮かびました。

そこで娘に、この散らかっている(ように私には見えている)状態をどう感じているのか、聞いてみることにしました。私がどんなに片付けるよう伝えても、娘自身がこの状態を心地悪いと感じていなければ、片付ける意味を見いだせず、やる気にならないのではと気付いたからです。

娘の意見は、使いたい時にすぐに使えるから机の上に置いておいた方が便利、すべてを片付ける必要性を感じない、散らかっていることは気にならない、とのことでした。
なるほど、娘はそう感じていたのかと、これまで娘がどう感じているかに意識が向かなかったことを反省しました。片付けてと言えば言うほど、そうしようとはしない娘をみて、ほんとに頑固な子だなぁと思っていたけれど、娘の意見も聞かずに私が望む机の上に余計な物がなにもない状態が正しいとばかりに、片付けさせようとしていた私のほうが頑固だったのかもしれないと気付いて、愕然としました。娘は娘なりに片付けていたのかも、と。

片付けバトルには参戦していなかった夫の意見も聞いてみることにしました。
娘が本を置いたままにしていたソファにちょうど夫が座っていたので、「ここに本が置いてあったら、座りにくいよね?」と聞いてみたら、「え? 別に大丈夫だよ、あいているところに座るから」との返事。なるほど。

それから数日間、夫を観察してみると、置いてあるものをうまい具合によけてソファに座ったり、娘が創作活動に使った色々なものが置いてある机の上でも、何気なく隙間をみつけてグラスを置いたり、私のように嫌な気分になっている様子はまったくありません。
どうやら、夫も娘と同じようで、机の上にたくさんのものが置いてあることが気にならないようでした。たしかに夫の書斎の机の上は、娘が使っているリビングテーブルと似ていて、色々なものが所狭しと置いてあります。私から見ると散らかっているような机の上から、本人は器用に必要なものを取り出し仕事をしています。この状態が夫にとってのあたりまえの状態のようでした。

2人の意見を聞いて、これまでは私の希望だけを優先した片付けを押し付けていたのだなと思い至り、娘と夫の快適さも受け入れることにしました。そして、リビングテーブルは娘の担当、ダイニングテーブルは私の担当にするのはどうかと私から提案し、その範囲でお互いの望む片付いた状態を保つようにしました。
片付けることを面倒だと嫌がっていた娘は、リビングテーブルを中心に創作活動を展開し、彼女なりの片付けを実行しています。私はというと、ダイニングテーブルが片付いていて気持ちが満たされたからか、イライラは収まり「片付けバトル」が勃発することは、ほぼなくなりました。
もしかしたら、私のイライラの原因の中には、片付けようとしない娘に対して、どうして私の気持ちを分かってくれないのだろう、という理解してもらえないもどかしさのようなものもあったのかもしれません。同様に、片付けてと言えば言うほどそうしようとはしない頑なな娘の態度の奥にも、理解してもらえないもどかしさもあったのかもしれません。

片付けるという日常の些細なことにも、その人なりの気質が表れるとは、私にとって意外な発見でした。
相手の気質を理解してそれに合わせた対応をしていく必要性、そのために相手を知ろうとすることの大切さ、頭では理解していたつもりでも、気付かないうちに自分が正しいと思うことを疑いもなく相手に押し付けようとしていることを、気付かせてくれた出来事でした。

そしてもうひとつ。この時に興味深いなと感じたのは、相手を知ることで、自分の気質が見えてくることもあるということでした。当たり前すぎて自分では意識していないことが、実はとても自分らしい独自の考え方だったりするのだなとも認識したのでした。

それでは、この辺でジャカルタの鈴木さんにバトンをお繋ぎします。

タイ/瀧澤かおる 



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日記を読んだ後の、「もっと聞きたい」「ちょっと話したい」を実現する場、「オンライン・ホッとカフェ」。今回取り上げる日記は、
「ゴウに入ってはゴウに従え」
です。
自分とは「ちがう」やり方と出会ったとき、その違和感にどう対応すればいいのか。
執筆コーチは転居したジャカルタで考え、実践し、そこでの気づきを子育てでも活かそうとします。
その後、どうなったのか? 自分だったら、どうするか?
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※前回までの様子はこちらでお読みいただけます。






2024年05月20日(月) No.674 (日記)

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