ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

ありのままで、素晴らしい!


こんにちは。東京の佐藤英子です。
いつの間にか朝晩の虫の音が心地よく、秋の気配が日増しに濃くなってきました。海にプール、お祭りに虫捕り…と、息子にとことん付き合った夏が遠い日のことのようで、肌寒さと相まってちょっぴり寂しくもあります。

でも秋も楽しいことはいっぱい。やっぱり私も島さんと一緒で運動会もそのひとつです。我が子はまだ6歳児なので、運動会は子どもの成長を肌で感じることのできる感動のイベント。年長になるにつれて難易度が上がる遊戯に挑戦する我が子の姿に、「彼なりに頑張って、出来ることを増やしてきたんだなぁ…」と、毎年感極まって涙、涙です(笑)。
その感動が色褪せないよう、心に引き出しの一番上にしまっておこう。
運動会後にいつもそう思うのですが、どうしたことでしょう。日常生活に戻ると、引き出しの存在すら忘れて、子どもの出来ていないところにばかり気を取られている自分がいます。

息子はのんびりマイペースな気質で、何事もスローペース。とくに朝の忙しい時間にはハラハラさせられることが多く、時計を見るように何度促しても、気がつくとボーっとしているあり様。朝食に至っては、コース料理を食べているの?と思うほどたっぷり時間をかけ、外出間際になってバタバタと慌てるため、忘れ物もしょっちゅうです。
口をついて出るのは「早くして!」「ほら、急いで!」「忘れ物はない?」ばかりで、これでは息子も嫌になるだろうなぁと思うのですが、それが習慣になっているのか、また次の日も同じような状況が繰り返されます。

そして新学期が始まって数日がたった頃、ついに担任の先生から忘れ物が多いとの指摘を受け、改めて親として何が出来るのかを、本気で考えさせられることとなりました。
それまでは遅刻も忘れ物も、本人が嫌な思いをしない限り行動は変わらない、などと、どこか諦めていたところがありました。
でも実際に、困っているはずなのに忘れ物をしつづけている。うーん、なぜ?
小学生になったというのに、自覚がないのはどうして?
みんな出来ることが、なぜ我が子には出来ないのだろう…
出来ないことばかりを憂いはじめて、ハッとしました。

そりゃ、ダメなことばかり言われたら、誰だってやる気なんて出ないよ。

それはそのまま自分自身へのつぶやきに変わりました。
毎日、仕事や家事をこなしてはいるけど、だからって誰も何も言ってくれない。しかも唯一の味方である自分が、自分にダメ出しばかり。
最近張り合いがなく、疲れが溜まるのも、なるほど、そういうことか。

決めた。今日から出来ているところを探そう!

さっそくその日から息子の出来ているところを、彼に伝えはじめました。
「今朝はひとりで起きてこられたね。すごいね」
「昨日よりも早く食べることができたね。時計をちゃんと見たんだね」
「持ち物、きちんと確認できたね」
といった具合に、宝物をひとつ一つ彼の目の前に並べるように伝えつづけました。すると息子は恥ずかしそうにはにかみながらも、瞳にみるみる力が漲る様子が見て取れて、思わず自分のことのように嬉しくなりました。

遅刻や忘れ物をしないことばかりに捕われて、一番大事なものを見失うところでした。目の前にいる6歳の人生を生きている我が子は、ありのままで素晴らしい存在であることを。そして私も同じだということ。それに改めて気づかせてくれた息子に感謝でした。

「ほんとうはね、いつもドキドキしていたんだ。また忘れ物をしちゃうんじゃないかと思って。だからこれからはママ、持ち物を一緒に確認して」
のちに、息子にこう言われた瞬間、彼が明らかに変わったのを実感しました。
「そっか、いつもドキドキしていたんだね。その気持ちが言えるようになったなんて、すごいね。かっこいいね!」
なんだか急に成長したようで、嬉しい反面、ほんのちょっとだけ寂しい気持ちになったのは、気のせいでしょうか。
息子の忘れ物ゼロの日々は、いまも継続中です。

次は神奈川の杉本さんです。よろしくお願いします!

東京都/佐藤英子 




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