ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

思春期母一年生


兵庫の五十君です。
來山さんの思春期母大先輩の話、本当に参考になりました。

新型肺炎の感染拡大で我が家の子供達3人も学校が休みとなりました。こんな時だからこそ家族なごやかに助け合ってたくさん笑って免疫力あげる、それが今自分たちにできる過ごし方なんじゃないかなと思っていました。

下の子2人(10、6歳)は折紙で色々な動物を作ったり、段ボールで船を作ったりと次から次へと工作し、自分たちだけでチャーハンとスープを作ってくれたりと、頼もしい!と、うれしい気持ちで見ていました。

一方、思春期真っ只中の長男(中2)に対しては、非常に悩ましい気持ちでした。
閉塞感によるストレスや持て余したエネルギーの発散対象が私や弟妹となっているように感じてしまうこともしばしば。長男が騒いで暴言を吐いて、それによってみんなストレスを溜めてしまって、自分が思い描いていた過ごし方とは真逆だとさえ思うようになっていました。
気づけば私は、人里を荒らすイノシシ VS 平和な村人、のような構図で、長男と下の2人を見るようになり、なんとか平和な村人を私が守らねばと思うようになっていました。

このイノシシとの対決において、下の2人を守ろうと勝手に私が発動し喧嘩になったり、彼の暴言を直球のまま受け止めてしまい、自分のすべてを否定されたみたいに落ち込んでしまうこともあり。
逆に、何かの事で彼を褒めると、「褒められんのとか一番ムカつくんだよ」と、すごい剣幕で言われたり。学校の先生からも、長男の頑張りや成長を認める声かけをしたら、「そういう事言われんのが一番イヤなんだけど」と返された(笑)と聞いたり。彼がしてくれた事に私がうれしい気持ちを伝えると、「お母さんがうれしいとか、いちいち言わなくていいし」などと言われる始末、もう八方塞がりな気分でした。そうかと思うと、べたべた甘えてきたりとツンデレで、もうどう声かけをして、どう関わればよいかわからなくなり、とりあえずは触らぬ神に祟りなし〜と、腫れ物には触らないといった感じになりました。でも、私の中では、心地よい感じは全くなく、あーぁちっちゃい時はあんなに可愛かったのになぁ、どうしたらいいんだろうと煮詰まっていました。

そんな時、ふと、私は思春期の母親するの初めてなのか。こういう場合はどうしたらいいんだろ?と、以前受講したハートフルコミュニケーションの資料を読み返してみました。

「思春期は自分を否定的にとらえる時期。 子供との対立を面倒がる/押さえつける/逃げる、ことをせず、自己を否定する子供を徹底して肯定し、その存在を喜ぶ。

思春期の子供との関わりは過干渉も無関心も良くなく、愛情に溢れた程良い関わりが重要。」

ドキッとしました。私はまさに、長男のことを押さえつけたり、反対に逃げようとしたりしていたんだな。
自己を否定する時期だからこそ、余計に長男は自分を認める言葉をかけられると、反発していたのかもしれない。「本当はうれしい」のに、「一番ムカつく」と言ってきたのは、それでも自分を肯定するのか私の本気度を試していたのかもしれない。
こどもの反応がどうであれ、徹底してこどもを肯定しその存在を喜ぶ!という強い覚悟が私にはなかった。あー、世の中の思春期の母ってなんてすごいんだ!と、先輩母のみなさんに本当に頭が下がる思いでした。
そして、私も徹底的に長男を肯定するという覚悟ができました。

その後のある日、長男が妹に向かって「ねー、お兄ちゃんのこと好き?どうやったら仲良くしてくれる?」と、猫にじゃれつくように聞いた時、妹は「お兄ちゃんが優しいときは好きだよ。自分がされてイヤな事を人にしなかったらいいんだよ」と答えていました。続けて今度は私に対して「じゃあ、そうしたらオレのこと好き?」と聞いてきたので私は「もちろん好きだし、どんな時でもどんなあなただって大好きだよ」と言ったら、ニヤッと嬉しそうでした。

思春期!思春期!と、必要以上に身構えてましたが、あ、これでいいんだ‥思春期だからといって特別なことをしなくちゃいけないんじゃなく、その存在を喜び全肯定するのは、 "こどもの反応がどうであれ" 、今までと同じでいいんだ。と、ほっとしました。そして、あー彼と通じあえるんだと、うれしくなりました。八方塞がりだった長男への接し方に、光が見えた瞬間でした。

そして、心を開いた様子のこの機に彼に聞いたところ、「褒められたりする のは嫌じゃないし、お母さんが受けとめてくれるのは本当はうれしい」と 打ち明けて くれました。「じゃあ、先生の時は?」と聞くと「普通」との答えでしたが、「彼にとって "普通" は結構いいことだから」と夫が言うと、息子はまたニヤッと笑っていました。

人里を荒らすイノシシ に見えていた長男も、遊んでほしくて人里にちょっかいを出しにきた憎めないかわいいイノシシにイメージが変わりました。
親の私にとっても成長の機会を与えてくれて本当にありがたいなと感じています。
こどもが安心して大人へと成長できるよう、子供を徹底して肯定しその存在を喜びながら寄り添うことで、子どもたちのいちばんの応援団でありたいと思います。
思春期母1年生、これからも山あり谷ありだとは思いますが、器の大きい母を目指します!

みなさまの健康を心から祈って、タスキを楠野さんにお渡しします。

兵庫県/五十君朋子 






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