ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

パーソナルディスタンス


東京の本藤です。
緊急事態宣言が発令されて約3週間、私の住む地域はオフィスビル街なのですが通勤者もかなり減って静かになってきました。そんななか、私たちの生活を支えてくれているエッセンシャルワーカーの皆様に心より敬意を表する一方で、私自身何ができるのかを考えていきたいと思います。

先週の中溝さんのお話、あぁ、わかる〜その平等思想!とうなずいてしまいました。
私もかつて息子たちに平等な対応を〜と意識しすぎたことがあります。3歳違いの兄弟でも苦労したので、双子ちゃんの子育てはもっと大変ですね。中溝さん、応援しています!

さて、 我が家でいま大切にしていることは、「ソーシャルディスタンス」ならぬ、「パーソナルディスタンス」です。
この春から一人暮らしを始める予定だった長男は外出自粛の影響で引っ越し作業を中断し、次男も高校入学を機にリズムを立て直そうとした矢先に休校通知をもらって拍子抜けとなってしまいました。そんな息子たちとは対照的に、出張中心の生活から在宅勤務に切り替わった夫は早々に自分の仕事環境を整えて嬉しそうです。そして、せっかくみんな家にいるのだから、食事はみんな一緒に!と言い出したのです。
息子たちは、え?毎食?と引きながらもしばらく付き合ってくれましたが、一週間も経たないうちにギブアップ。ギスギスした空気が広がっていく一方で、私自身もテレワークと家事とのバランスに悲鳴を上げて、「この状態はいつまで続くんだろう…」とやり場のないストレスを感じ始めました。そして、外出自粛が長期戦となったからには、ここはいつもと違う工夫が必要かもしれない、とふと気づきました。

そこで、私自身はどうしたい?と自分に問い、思春期の息子たちや夫がどんな状態を望んでいるだろうか?と観察してみました。みんなが心地よく過ごせるためには、四六時中一緒に過ごすのではなくて、ほどよい距離感「パーソナルディスタンス」があった方がいいのでは?と思うようになり、新しいルールを考えてみました。
その一つが、朝食と昼食をセルフサービスにするということです。これはドライな印象もありますが、食事の準備はしておくけれども、食べるタイミングは各自に任せようというものです。
まずは息子たちにどう思うかを尋ねてみると、それがいい!その方が気が楽だね、と明るい返事。その後、夫に話してみると、最初は案の定、え?なんで?という反応だったものの、平日はお互いの仕事のリズムを崩さないのが一番、私もストレスフリーで仕事と家事のバランスを保ちたいから…と話して納得してもらい、試してみることになりました。

そうして、実際に新しいルールでやってみたら、予想外に、嬉しい変化が出始めました。それは、セルフサービスにしたけれども、決して孤食になるわけではなく、ご飯いれようか?と声をかけあったり、食後の片づけはやるねーとか、他に積極的にできることをやろうとしたり、頼もしく感じる場面が見られるようになってきたことです。
それはきっと、強制されての食事の場づくりではなく、お互いが自分のペースを乱されることなく、干渉されずにいるおかげでの心地よさが生まれ、思いやり行動へとつながるのかなと思います。その一方で、セルフサービスの朝食・昼食と対照的に、夕食は家族が揃う新鮮さを味わえるようになったのも事実です。
これまで、生活リズムや家の手伝いなど、「こうあるべき」という枠を持って息子たちに接していた夫の姿は、父親としての存在アピールだったのかもしれませんが、この濃密な家族で過ごす時間を通して、最近は思春期の息子たちにどう接するとよいのだろうかと考え始め、程よい距離感・程よい関係を持てるようにと変わってきているようです。

かとはいっても、四六時中、限られた空間で一緒に生活しているのですから、ぶつかり合うこともあります。
例えば、次男が遅くまでゲームをしている姿はよく見られ、生活リズムも崩れがちで私の心も波打ちます。そんなときは、ハートフルコミュニケーションで学んだ、「子どもを信じて、任せる」を思い出して、「本人は良し悪しはわかっているはずだから経験を通して何が大切かを考えるようになる」と自分に言い聞かせています。そして、思春期の息子たちを見守っていくことの大切さをしみじみと感じています。
それでは、山田さんにタスキをお渡しします。

東京都/本藤克子 






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