ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

葛藤中を見守る


★ ご報告とお礼 ★
5月3日(日)に第1回「オンライン・カフェ リレーブログ談話室」を開催いたしました。
読者の方々とブログ執筆陣がZOOMで顔を合わせながら、自粛期間の過ごし方や目下困っていること、コミュニケーションの工夫等、ざっくばらんに語り合い、笑顔でお開きとなりました。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。
次回は6月の「ハートフル月間」で開催予定です。
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兵庫県の名和です。
子どもの力を信じて見守ることを子育ての軸として、自分らしさを大切に子育てしておられるやまださん。息子さんたちのキラッと輝く瞬間。どんな場面があるのでしょうか。これからのブログも楽しみでなりません。

先日、娘と一緒に料理をしていた時のことです。
娘がだし巻き卵を作りながら、「あーー、しくじった。せっかく上手くいってたのに。」と残念そうにつぶやきました。ちょうどその後にコンロを使おうと待っていた私は、思わず「あら、急かしてしまったかな?」と返答しました。
暫くして娘が言いました。「お母さんの優しさだと思うけど、あえて言うね。だし巻き卵を失敗したのは私で、お母さんには全く関係ないやん?<自分のせい>だと引き受けるようなことはしない方がいいと思うよ。誰かのせいにしたがる人って結構いるから。外でやると、ドンくさい人だと見られて、せっかくのお母さんの良さが生かせなくなってもったいないわ。」と。
言われてみて「はっ」としました…やりがちだ…と。もし、ただ批判されるだけだったら「なんでそんなこと言われなあかんの?」と娘に反論することに終始したかもしれません。でも、娘のラストの一言が、常々「安心して自分らしさを生かせたらいいな」と思っていた私の心に響き、チクリと心痛みながらも「なぜ、私はそんなことをするのだろう?」と考えてみることにしました。

そして、ハートフルコーチ養成講座で、日ごろ「問題だ」と感じることについて「これは誰の問題?」と自身に問うように学んだことを思い出しました。そうすることで、不要な争い、苦しみ、イライラ、痛みを手放すことができるということでした。
たしかに私も、自分の問題をあたかも相手の問題であるように捉えて、相手に小言を言ったり怒りをぶつけたりする場合があります。また、それとは逆に、相手の問題を相手に任せず、自分が引き受けてしまうこともあります。
たとえば娘が、時々「不機嫌」という感情を露呈することがあります。すると、私は居心地の悪さを感じます。夫は、よく「怒り」の感情をぶつけます。すると、私は心が辛くなります。どうやら、私はこのような相手のネガティブな感情に翻弄されるのが嫌で、ダメージを最小限に食い止めるために「私のせいだ。」「ごめんなさい。」と先手を打つ形で自衛の策をとっているようです。
それがいつしか習い性となって、たいしてダメージを受けない場面でも無意識にそのパターンを使ってしまっていたようです。今回もまさにそうでした。これでは自分らしさを損なってしまう上、相手が自分の感情と向き合って成長する機会をも奪ってしまいます。
なるほど、私には「これは誰の問題?」と問うことこそ必要だな…と納得していた矢先、こんなことが起こりました。

コロナ自粛でスポーツジムのお風呂を使えなくなった夫が、家でお風呂に入るようになった、ある日。夕飯が済んですぐに夫がお風呂に入ろうとしたら、湯舟は空っぽで洗った形跡もありませんでした。お風呂掃除と湯沸かしは娘の担当ですが、ガス代節約のために入る直前に洗って沸かすことに決めていました。夫は「ウチの風呂が沸くのは何時やねん? お前は母親として娘になんも指導しとれへんやないか!」と立腹しました。いつものようにとりあえず夫に謝って、娘にお風呂を沸かすように催促に行くと、娘が私に目配せ…。
あっ、ちょっと待てよ、「これは誰の問題?」
お風呂沸かしは娘の問題。怒りを鎮めるのは夫の問題。ここに私の問題は存在しません。夫は疑問に思えば娘に聞けばいいし、娘がそれに応えればいい話。ここは、静観していよう…と心に決めました。

ところが、暫くしても夫は気分を害したままで、その日はお風呂に入らぬ様子。私の心はざわめき始めました。「静観するって決めたのになぁ。ぜんぜん出来てない。あーー、私、葛藤中…。ん? 葛藤中?! 養成講座で学んだ!」。人は葛藤のプロセスで自律(セルフコントロール)を学ぶということを思い出しました。そんなときは、おでこに「葛藤中」のテロップが流れているイメージをして見守ればいいということも。
「ひょっとして、お父さんも葛藤中とちゃうの? そうや、怒りという名の葛藤中やわ。な〜んや、私も、お父さんも、ウルトラマンみたいにピコンピコンって葛藤中の点滅中やん」と思うと、その滑稽さに、頭ではわかっていても心が引き受けてしまっていた「夫の怒り」がすぅ〜〜と遠のいて、心の辛さがやわらぎました。そのことで、なんとか静観を継続できたように思います。

次の日の夕方のことです。「オイ、これ、どないすんねん?」と夫がお風呂の洗い方と沸かし方を聞いてきました。
説明すると、「こんなもん、オレにだって出来るわ」と言いながら、夫はせっせとお風呂を洗い、湯を沸かしました。

「これは誰の問題?」と自問すること。そして、「葛藤中」を見守ること。
光が見えてきたような予感…。私にとってとても有効な処方箋であるように思います。

次は、上村さんにタスキをつなぎます。どうぞよろしくお願いします。

兵庫県/名和めぐみ 






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