ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

自立


★ 第2回 オンライン・カフェ リレーブログ談話室のご案内 ★
「気軽に話せて楽しかった」「たくさんの気づきがあった」等のお声に力を得て、「リレーブログ談話室」を再び開催します。
菅原裕子や執筆コーチたちと、ブログを題材にざっくばらんに語り合う場です。ブログ読後の「もうちょっと聴きたい」「もっと知りたい」を叶えにいらっしゃいませんか?
【日時】6月13日(土)10〜12時
【参加費】無料
【方法】オンライン(ZOOMを使用します)
【お申し込み】
https://ssl.form-mailer.jp/fms/12eea71f665896
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兵庫の五十君です。
來山さんのブログを読んで、今年銀婚式を迎えられるご夫婦のこれからにとてもワクワクしました。未来会議、我が家でもぜひ開催してみたいと思います。

このコロナ禍で、数年前にオランダの田舎町に住んでいた時に、家族ぐるみで本当にお世話になった友人たちと久々に連絡を取り合いました。ありがたいことにお互いの無事を確認でき、これがおさまったら必ず会おうと約束しあいました。

彼女たちに出会った当時、私は長男6歳次男2歳の2人を抱え、慣れない異国の地でのワンオペ育児に不安もたくさんありました。そんな時、息子と同じ学校のいろいろな国のお母さんたちや近所の友人たちのあたたかさにどれほど救われたかわかりません。そのおかげで、3年ほどの時間をとても心強く前向きに楽しむことができました。

そしてまた、彼女たちから、たくさんのことを教えてもらいました。
私がアキレス腱を切ってしまった時のこと。車の運転もできず、こども2人の学校への送り迎えや買物さえできないという状況で、彼女たちが息子たちの送迎や家事を手伝ってくれると言ってくれました。
同じアパートのもうお子さんが成人しているイギリスの友人は、自分なら朝こどもの世話をしなくていいから毎朝送ってあげると言ってくれました。
また、チリ人の友人は、自分は車の運転ができないけれど、看護師だからベッドメーキングや掃除は手早くて得意だから毎日してあげると言ってくれました。

夫と相談し、本当にありがたいけど、毎朝自分の息子2人を車に乗せて決められた時間に連れて行くだけでも大変なのに、わざわざ朝の慌ただしいなか迎えに来てもらうのはあまりに申し訳ないので、タクシーをお願いすることに決めました。家事を手伝ってくれるという申し出についても、そんなことさせられない。必要なら自分たちがお金を払って、そういう業者にサービスを頼むべきと思い、遠慮しました。

送り迎えを手伝うと言ってくれた友人たちは、自分たちが手伝うと言ってるのにタクシー会社にすでに連絡したなんて信じられない、お金だってかかるし、友だちだろと呆れ、むしろ怒ってしまいました。家事を手伝うと言ってくれた友人は、友だちなのに手伝わせてくれないなんてと悲しそうな顔をしました。
私は、自分がおかしいのかと不安になり、夫とも再度話しましたが、「お金がかかるのは自分たちの責任だからあたりまえだし仕方ない。そのために、みんなにしかも最低2ヶ月も迷惑はかけられない」と意見があいました。

ちょうどその頃、前々から遊びに来ることになっていた母が、4日ほど来てくれました。母と一緒にこどもの学校に迎えに行った時のこと。友人たちに母が取り囲まれ、説教が始まりました。「あなたの娘のこと私たちは大好きだ。でも、とても頑固で困っている。手伝いたいと言ってるのに、まったく聞かないんだ。娘に何とか言ってくれ」。体の大きな友人たちに囲まれた母は、まるでカツアゲ状態(笑)。

その日、帰ってから、母とこのことについて、いろいろと話をしました。
「日本人は、なるべく人に迷惑をかけないように、という意識が強いのかな…。何か困った事があっても、誰かに迷惑をかけるのは申し訳ないし、自分でどうにかしなくちゃ、と私たちは思うよね。でも、自分が反対の立場だったら、少しでも何か手伝いたいよね…。だから、頑なにせっかくの好意を拒むのは、心を開いてない感じがするよね。本当にありがたいことに手伝ってくれると言ってくれているのだから、困った時は有難く助けてもらって、自分ができる時にできることを返していけばいいのかもね…」と。
自分の価値観を、はじめて "当たり前じゃないのかも?" と外側から見つめることができたように思います。

それまでは、友人たちが何度も親切に言ってくれれば言ってくれるほど、せっかくの彼女たちの想いを自分が突っぱねてしまっているように感じ、だからといって大事な友人だからこそ迷惑はかけたくない、もうどうか私のことは見てみぬふりをして‥と自分からシャッターを閉じてしまっていました。

でも、この気づきがあってからは、「ありがたく助けてもらって、自分ができる時にできることを返していく」という考え方でやってみようと思い、彼女たちのお言葉に甘えて、朝のタクシーは継続したけれど、学校が終わってから家までの送迎や、家の掃除、買物まで、たくさん友人たちに助けてもらうことにしました。

彼女たちにお願いすると、(このガンコが)やっとわかったか!みたいな反応と、それでも朝のタクシーは継続することに、(このガンコは)もうどうしようもない(笑)!と両手を上げ呆れている感じでした。
私は、彼女たちの好意をありがたく受け入れ、こちらから助けてとお願いできたことで、久しぶりに心が通じあえた気がしました。と同時に、ぐっと閉じていた私のシャッターが開いた感じがしました。

帰国後、ハートフルコミュニケーションと出会い、自立についての考え方を学んだとき、あ〜! こういうことか〜!!と、心底衝撃を受けました。
「自立とは、人をあてにしなくても自分の力で生きられることと、自分ではできないときに素直に人に援助を求める能力を意味する」ということ。私は、自立できてなかったってことか…。
人はそもそも不完全な生きもの。特に私は…(笑)。自分ではどうにもできない時、素直に人に援助を求められるのは、自分の不完全を受け入れられてこそ。自分は不完全な存在だと受け入れられて、はじめて他者の不完全を受け入れられる。それぞれの不完全を認め、補い合いながら、自分なりの役割を果たしていきたいと今は思っています。

オランダでは、治ってから、友人たちに夫婦の時間を持ってもらうためにこどもたちを預かったり、学校帰りのお迎えをさせてもらったり、ごはんに来てもらったりしましたが、恩返し不足。帰国後は、日本にいる外国人が少しでもあたたかい気持ちで暮らせるよう、日本語や生活のサポート、ホームビジット受入れをさせてもらったり。日本国外問わずあまりに多くの方々のおかげで、生きてこれたので、ほそぼそとですが自分なりにできることをおばあさんになってもしていきたいなと思っています。

次は東京の楠野さんにタスキをお渡します。

兵庫県/五十君朋子 




2020年06月01日(月) No.462 (日記)

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