ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

もう少しで思春期卒業!


大阪の桜井です。
起こしてしまった問題にひたむきに向き合う楠野さんの息子さんの姿に心を打たれました。そして、長い間見守り続けた楠野さんの親の在り方を見習いたいな、と思いました。

さて、我が家の次男、夏休みになって、久しぶりに家に帰ってきました。
4月に地方の高校の森林科に入学して4か月が経ちました。実は1か月ほど前に、転学したい旨のレポートが送られてきました。内容は、なぜ転学したいのか、転学して何をしたいのか、自分の課題、寮の良い面、悪い面、これからの不安など、ノート4枚にわたって書かれていました。思春期の次男を送り出してやれやれと思っていたところだったので、思わず「えーっ、なんでー!」と叫んでしまいました。

次男は小学校高学年の時に、習い事やミニバスケットボール部の活動が忙しかったことなどがきっかけで、一年半ほど無気力な状態になってしまいました。そんな経験からか、「将来の夢は?」と聞かれると、「定年後のおじいちゃん」や「宝くじを当ててのんびり暮らしたい」などと答えていました。高校を選択する際も、行きたい高校もなく、大学に行きたいとも思っていませんでした。
そんな事情もあって、進学が次男が変わるきっかけになるかもしれないと思って、親元から離れる高校を選択肢に入れることを親から提案しました。林業に興味を持ったこと、親から離れて新築のきれいな寮で生活できること、などから、今の高校を本人が選びました。二度見学に行き、進学することを決めました。「本当にこの学校を選んでいいの?」「寮生活は厳しいかもやで!」と何度か念を押した時も、「大丈夫。」と答えていました。

レポートをよく読んでみると、書くことで自分の考えを整理しようとしていること、思いを伝えようと一生懸命であることが伝わってきました。それから電話で話をしたのですが、短い時間では、じっくり話をすることができません。帰省したことで、やっと落ち着いて話をすることができました。
マイペースな次男は、時間ごとにやることが細かく決められていてたり、納得がいかない規則がある寮の生活をとても窮屈に感じていました。また、がむしゃらに頑張りたいと思っていたクラブ活動を思うように取り組むことができないことも主な理由だとわかりました。大学に進みたいと思うようになって、普通科のカリキュラムを学びたいことも話してくれました。

入学してまだ4ヶ月。次男が自分で選んだ高校なので、私は、いいことも悪いこともこれからもっと経験してほしいと思っていました。このまま転学の話を進めてしまうと、これからも思い通りにならないことがあったら、その度に辞めたい、と思うのではないかという不安もありました。どう対応したらよいか迷いましたが、一度きりの高校生活を後悔しながら過ごしてほしくないと思い、もう一度、じっくり考えて答えを出してもらおうと思いました。

そこで、帰ってきている間、考えられる選択肢やそれぞれのメリット、デメリットを本人を中心に家族みんなで話し合いました。
「家に帰ってきたいのは、甘えたいだけじゃないの?」
「高校を変わる意味があるの?」厳しい言葉も飛び交います。その度に、考えがはっきりしていないところもあるのですが、一つずつ丁寧に答えようとしていました。
「せっかく行かせてもらったのに申し訳ない。」
「今度こそは慎重に考えたい。」
「今まで、言ってもらった忠告どおりだった。」など、家を出るまでとは違う言葉の数々に、兄が「性格丸くなったな〜」と伝えていました。
私は、「こっちのほうがいいんじゃない?」と、反射的に答えを提案してしまう癖があるので、ぐっと我慢。意見を言うときは、「あくまでも、母が思うには…」と前置きをして、「こんな可能性はあるかもしれないね。」という言い方をするようにしました。

これまで次男は、思っていることを説明することが面倒くさいような感じでした。いちいち言葉にするのが照れ臭いのもあって、「別に」とか「なんとなく」が口癖でした。けれども、話し合いをしていく中では、家族の意見に耳を傾け、自分の思いを包み隠さずに伝えようとしていました。自分の弱い部分も認めて、心を開いて相手の意見も聞こうとしている。そんな姿に、思春期の出口に差し掛かっていることを感じることができました。
家族以外の方達に日々お世話になることで、謙虚な気持ちが芽生えてきたように思います。また、時間や環境に制限のある寮生活を送ったことで、本当にやりたいことを考えるようになったと思います。離れた時間は無駄ではなかった。次男との信頼関係も感じることができて嬉しく思いました。
これからどうするのか、すぐに結論は出せないかもしれませんが、家族はいつでも味方でいること、人生は自分次第であることを伝えていきたいと思います。これからも自分と向き合って、人の力も借りながら、最終的には自分で決めて行動していってほしいと思います。そんな期待も込めて、思春期卒業と言い切るのは、もう少し先にします。

今回のことで、本人が心から望んで選んだ道でなければ、そこから先、自ら行動することはできないと、痛いほどよくわかりました。本人が納得して選ぶまで、ひたすら待ちたいと思います。
その思いが伝わっているのか、選択する重みを感じているようです。本人が解決できる力があることを肝に銘じて、「まずは黙る!先に考えを聞く!」を日々実践していきたいと思います。
広島の大下さん、タスキをお渡しします。

大阪府/桜井美紀 







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