ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

娘のおこもり生活


大阪の桜井です。
楠野さんのお話の中に出てきた「新しい自分に出会うための筋肉痛!」、これからも思い出
していきます!

今回は、大学生になった娘の話をしたいと思います。
娘は3人兄弟の男の子に挟まれた真ん中の子です。マイペース過ぎるところもあるけれども、細かいことは気にしない、わりとさばさばした性格です。私が兄や弟のことで悩んでいる時も、時には一緒に愚痴ってくれたり、「とりあえず、おいしいもんでも食べとこか〜」と励ましてくれる、なかなかありがたい存在です。去年の4月から大学生になったので、これからもっと一緒に出掛けたりしたいなぁ〜ととても楽しみにしていました。

ところがコロナ禍で娘は大学に通うこともほとんどなく、代わりにレポートの提出の締め切りに追われる生活になりました。授業ごとに課題が出るので、結構な量だったようです。そんななか、大好きなユーチューブもかなりの時間見ています。さらにサークル活動も始めて、夜中にオンラインでの話し合いや友達との会合を毎日近くしていました。週に2回程度のバイト以外はほとんど自分の部屋にこもるようになりました。レポート作成やオンライン授業や会合の合間に自分の部屋でご飯を食べて、夜中にお風呂に入って、洗濯物を出す、そんな生活になりました。あっという間に昼夜が逆転してしまい、食べて座ってばかりいるせいか、体重も大幅にアップ、顔中にニキビがいっぱいになりました。

私はと言えば、娘の変貌ぶりにとまどってしまい、顔を見るたびに、何か言いそうになりました
。実際にちょくちょく皮膚科を勧めてみたり、生活を変える提案をしてみたりしました。
けれども、今やらないといけないことに追われている娘にとっては、うるさい小言にしか聞こえないようで、段々と親を避けるようになりました。
本人が変わりたいと思うまで待ちたいと思うものの、このまま放っておいて良いのか…悶々としながら2、3か月が過ぎました。

「もうすぐ19歳。大人の仲間入りをしていく娘とどんな関係になることが私の理想なん
だろう?」
ようやくお風呂で落ち着いて考える時間を取りました。温かいお風呂の中では、私の気持ちもほぐれて、ゆっくり考えることができます。
そういえば、息子たちには、それぞれの性格も考えて、話を聴いたり、しゃべったりしているのに、同性であり、あまり落ち込むことのない娘に対しては、遠慮もなく思ったことをズバズバと言ってきたなぁ(反省!)。これからは、どんなふうにかかわっていこうかなぁ…。
ふと、結婚式の時の誓いの言葉を思い出しました。
「健やかなるときも、病める時も、〜(中省略)〜あなたは愛を誓いますか?」 
私は娘が望む姿である時は愛していたけれども、そうでない時も愛していたかな? 私の心配している気持ちばかりを押し付けていたことに気づきました。心や体が弱っているときこそ、相手の気持ちを想像して、寄り添う気持ちでいることが大切だったのに…。娘自身、変わってしまった自分の姿を気にしつつも、明るく過ごそうとしていました。娘の思いを想像しながら接していこうと改めて思いました。

どんな関係でいたいのか、さらに考えていくと、「共同生活者」という言葉に思いあたりました。こんなご時世のなか、大学時代ならではの自由を感じてももらいたい気持ちも山々だけれども、母には母の都合があって、我が家には我が家の大切にしたいことがあります。一緒に生活している人に協力的でなかったり、不快な気持ちにさせることがあれば、迷わず行動や言動を改めてもらうようにお願いしようと決めました。
そして気づけば子ども達3人とも、頼れる(頼れない時も多いですけれども)共同生活者でした! これからは、親が何でもやってあげる人にならないで、もっと頼っていこう!と思いました。

どうしたいのかがわかったら、すっきりした気持ちになりました。そして、落ち着いて話をする時間を作りました。
丁寧に扉をノックして、娘と向き合って座りました。(この時点でびっくりされました(笑))
「洗濯物のことなんだけど、、、知っての通り、大体いつも夜の十時くらいに予約するから、それまでに洗濯物が出てなかったら、洗濯物の管理を任せることにするわ」と優しく伝えました。食事についても、「自分の部屋ではなくて、ダイニングで食べてね」「家にいる時は晩御飯はなるべく一緒に食べよう! 準備もみんなでしようね」と伝えました。最初娘は、「えー!」という反応でしたが、頑として譲らない私の様子に観念しました。
食事の時間は、家族でまちまちになることも多いのですが、誰かがダイニングでご飯を食べている時は可能であればそばで作業をしたり、いつでも話ができる雰囲気を作っていたいな、と思います。ニキビについても、落ち着いたら病院に行こうと本人が思っているようなので、私も気にせずに、お勧めの音楽を教えてもらったりなど、たわいもない会話を楽しむようにしました。
娘と普段通り接しようと決めてから、リビングや洗面所で一緒になっても、おはようなどの挨拶以外は極力何も話さない時間を持ちました。自分がどうであっても変わらない態度で、かまわれないでそっとされることに安心していたようです。最近は徐々に生活のリズムを戻しているようです。

私の中で、何を大切にしたいのかという軸ができたので、落ち着いて真剣に伝えることができました。そして、落ち着いて真剣に伝えると、子どもには伝わるんだ、と実感できました。今となっては、どうしたらいいのかわからないで様子を見ていた時間も無駄ではなかったな、と感じています。

コロナ禍で家にいる時間が多くなった「娘のおこもり生活」がきっかけで、大きな反抗期もなかった娘と改めて向き合うことができました。そして大人に近づき、それぞれの世界を持つようになった子どもたちに、家族という共同生活者がどうあってほしいのかを考える機会になりました。
今は、「一人暮らししたいー」とつぶやく娘に、「お金を貯めて実現してね!」と励ましています。さて、私もこれからどんな生活を送っていこうかな。ワクワクしています。

広島の大下さん、バトンをお渡しします。

大阪府/桜井美紀 




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