ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

急にやってきた嬉しい変化


群馬の山本です。
羽木さんのお話、自分と重なるところばかりで、驚いていてしまいました。
私も自分には「できる人」を当てはめられずにいますが、自分にも忘れちゃいけないなと改めて思いました。

今回は私が経験したエピソードを2つご紹介します。
まずは夫のエピソードです。
私は、読書が大好きで、子どもにも読み聞かせをしたり、図書館へもよく連れて行ったりしました。しかし、夫は全く本を読まない人でした。読むと言えば新聞くらいでした。義母は読書家なので読み聞かせもしていたと思いますが、私と出会った時は全く本を読みませんでした。

ところが、ある日、上司から江戸時代を舞台に書かれた時代小説の本を借りてきました。借りて来たというよりは、「読んでみろ」と渡されたようでした。しかしそれから、少しずつ本を読むようになりました。歴史小説も読んだり、話題になった本を買ってきてみたりと、どんどん読書家になっていきました。
勧めても読まなかった人が、自分から本屋さんや図書館へ行くようになったのです。そばで見ていて本当に驚くべき変化で、40代で変わることもあるのかぁ・・・と目からうろこの出来事でした。そして、30年たって変わることもあるという驚きと共に、さらに私の肩の力が抜けていくのを感じました。
私は、親なら完璧な子育てを目指ざすべきと無意識に思っている時期がありました。でも、夫の変化を目の当たりにして、改めて完璧な子育てなんてしなくて良いんだと思いました。そもそも完璧なんてあり得ないし、完璧って何で判断していたのだろう?と、自分がおかしくなりました。

続いては長男の好き嫌いの話です。
長男は小さい頃からよく食べましたが、大きくなるにつれて、好き嫌いするようになりました。特に野菜で、ねぎ、玉ねぎは触感がダメ、いんげん、トマト、ブロッコリーなども避けるようになっていきました。一口でも食べなさいと戦ってもみましたが、無理やり食べさせることはできず、高校生の頃にはほとんどあきらめていました。ねぎや玉ねぎは触感がなくなるまで火を通したり、いんげんなどはみじん切りにしてひき肉と混ぜたりしていました。でも、食べないと思うとサラダにはトマト、ブロッコリーは消え、お弁当も徐々に茶色一色になっていきました。

その息子は現在大学生で一人暮らし2年目になりました。
先日帰って来ると聞いた時には数日前から張り切って準備しました。トンカツを揚げるだけにして冷凍したり、豚バラをたくさん買ったり、いつもの倍以上の肉料理の準備をしました。でも、実家からもらった採りたての野菜が山ほどあるので、野菜尽くしの料理もたくさん作りました。そして、野菜尽くしに変化した食卓を見せるのも良いかなと思い、長男にも豆皿に少しずつ出してみました。すると出したものを次々に平らげてしまいました!驚きつつも、追加でどんどん出して嬉しい時間でした。
後になって無理して食べてくれたのか、好き嫌いがなくなったのか?気になって聞いてみました。すると、「中学、高校、大学となるにつれて好き嫌いがあるとかっこ悪いと思った。大人数で食べる時にも出されたものを食べられないとダサい。まぁ、食わず嫌いだったし。でも、大根だけはまだ嫌いだけど」という返信でした。

どうにか食べさせようと戦ってきたこともすべてが無駄だとは思いませんが、一人で子育てするのではないのだと改めて気付かされました。友達や社会の中で本人が感じて始めて変わることもあるのだと実感しました。成長期に好き嫌いなく食べてほしかったけれど、10年経って息子は好き嫌いがほとんどなくなり、何でも食べる20歳になりました。

実をいうと私自身、食べず嫌いで野菜は大丈夫でしたが、初めての物はほとんど食べませんでした。それが変わったのは夫の影響です。夫は食べることが大好きで、初めての物も興味津々です。あまりにも不思議で聞いたことがあります。
私「食べたことないものを見ると、どう思うの?」
夫「どんな味がするか食べてみたい!」
私「 !!! 」
思ってもみなかった返事に衝撃を受けたのを今も覚えています。でも、それからです。私は何でもとりあえず食べてみるようになりました。そして、実は苦手だったおでんの大根も大好きになりました。
だから息子も、10年後には「おでんは大根が一番!」なんて言ってるかもしれないなと密かに思っています。

子育ては長い目でと言いますが、10年、20年、30年…と本当に根気のいる長さなのだとその言葉の重みを感じています。それと同時に、それだけ長い間、変わるかもしれないと見守る目は、どこまでも温かいな…と感じています。
子育て真っ最中の時に、10年後、20年後…と想像するのは難しいかもしれませんが、10年たって好き嫌いのなくなった男の子のことや30年もたって読書好きになったおじさんの話を思い出して、肩の力を抜くきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

それでは秋岡さん、次のタスキをよろしくお願いします。

群馬県/山本美徳 






No. PASS