ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

父の背中


千葉のなかみぞです。
大下さんのお話から、女子あるあるを懐かしく思い出しました。お嬢さんの勇気と、大下さんのナイスフォローに感動しています。

先日、中1双子女子から、「ママ、仕事についておしえて。」とインタビューを受けました。小学校の時にも同じ質問をされたばかり。学校では、キャリア教育に力を入れているのですね。
どんな仕事? どうしてその仕事を選んだの? やりがいは?と立て続けに質問を受けながら、改めて会社人生を振り返り、「働くとは?」と考える時間になりました。

まず、どうして今の会社に入ったかと言うと…中学校の恩師に、業種を絞り過ぎず、社会勉強だと思って行ってごらんと背中を押されたから。就職説明会の雑談では(今、思えばグループ面接)、就職先の決め手は何ですか?と問われて、「通勤しやすいことです。長く勤めたいので。」とバカ正直に答え、重役面接では、緊張しすぎて面接室の扉を間違えそうになる(ノックする直前に人事担当者が気付いてくれました。)という失態を繰り返したにもかかわらず採用してくれたことを深く感謝しています。
また、どうして今の仕事を選んだのかと言うと、自分で選んだ訳じゃないの。人事異動。以前から興味のある仕事だったけど、理想のタイミングじゃなかったなあ。もちろんやりがいはあるけれど、現場から離れた所にいるからあまり実感がわかない。どうして働いているかといえば、あなたたちを養うため! 夢も希望もない答えでごめんね。でも、職場では人に恵まれているし、長く勤めているから知り合いも増えて仕事をしやすくなったし楽しんでいるよ。と答えると、向かいに住むじいじ(私の実父)にもインタビューしに行きました。
どうして働いているの?と問われた父は、「人の役に立ちたいからだよ」と話し始めました。

父は、定年後、最高齢で司法書士になり、80歳を過ぎてもいまだ現役。娘としては、もう十分働いたのだからゆっくりしてほしい、母孝行もしてもらいたいと思っていました。
でも、母から「あのね、お父さんは、暗い表情で相談に来た人が、話をしていくうちに明るい表情になっていくのが嬉しいんだって。初めて事務所に来たときよりも元気になって帰って行くんだって。お父さんの人生だから好きにさせてあげよう」と言われたとき、試験合格までの長い道のり(当時、私や弟の学期末テストの勉強時間よりも遅くまで励んでおり、受験すること十数回)を思い出し、子どもはもう独立したのに、「どうして働き続けているの?」という疑問も解けました。

また、父が大病で入院したときに、「中溝さんにお願いしたいから」と、退院するまで待ってくれたクライアントさんがいたと聞き、待っていてくれる人がいるから働けるのか、そこまで周りの人と信頼関係を築いていたのかと衝撃を受けました。とても私には真似できない。待っていてくれる人達の存在が、父の闘病生活の支えになり、働き続けることが父の生きる原動力になっていることにも気付きました。
今もなお、杖をつきながらも、書類がいっぱい詰まったキャスターを引きずって歩き回っているじいじの背中が、孫の記憶にも刻まれていきます。なんて大きな背中だろう。

父の人生と私自身の経験から、「働くとは、自分のチカラを人のために役立てるということ。その対価は、金銭だけではなく、その経験や人との出逢いが、より人生を豊かにしていくもの」と解釈しています。
私も、父のように自分の生き様を子どもに見せていこう。私が、「人の役に立つことを考えていけば、間違いない」という指針を得たように、子どもも何かを感じ取って心の中に備えてくれるといいなあと思いました。だんだん言葉が響かなくなっていく思春期双子には、(不器用な人生ですが)背中で語ってみよう(高倉健さん風)。「〇〇しなさい」も封印してみようかな。

それでは、東京の本藤さん、お願いします。

千葉県/中溝浩子  





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