ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

トゲトゲの理由


こんにちは。
大阪の安村です。
お子さんの青春の一コマに一緒に居られた、秋岡さんの幸せが伝わってきました。
そして、お子さん達のかっこいいダブルダッチを観てみたくなりました。

前回に続いて、ハートフルコミュニケーションで学び、気づいたことを書こうと思います。
3人の息子、私にとって、どの子もかけがえのない存在で、子どもに対する想いは同じ。でも、子どもによって性格は違い、同じように想って、同じように接しているつもりでも、返って来る反応はそれぞれに違いました。そして、その反応の違いから、私の対応が変わることも・・・・。

例えば、宿題をするタイミング。
それぞれが小学校の低学年の頃で考えると、二人は、私が宿題を先にやって遊びなさい。と言えば、そのようにしていました。
もう一人は、意思が強く、言葉で反抗するわけではないけれど、自分が今やりたくないと思えば、梃でも動かない。今やればいいのに!と思うことがよくありました。その度に、私の先に勉強を済ませてから遊ぶべきという考えから、口調もきつく言うことを聞かせようとしていたのです。今、思えば、宿題のタイミングなんて子どもにどうしたい?と聞いて、子どものタイミングに任せることもできたのに・・・。当時は、自分の「べき」は、子どもが将来困らないための正しいことだと思っていました。

子どもが成長して、思春期になった頃、それぞれ子どもとの日々の関わりの中で、悩むことはありました。寡黙になったり、覇気を感じられなくて心配したり・・・。
特に気になったのが、意志が強い子の反応でした。
〇〇しなさい!に対して、嫌だ!うるさい!!の反応は分かるけれど、〇〇したら?というような提案、アドバイスのような声掛けに、うるさい!黙れ!というようなきつい言葉が返って来ると感じることがよくありました。

他の2人はそうではなかったので、余計に気になりました。
なぜ、提案、アドバイスに対して、まるでそれはダメと否定されたかのように反応するのだろうか? その反応で嫌な気持ちになるし、凹むし・・・、何が原因なのか?
ハートフルコーチ養成講座で学びながらも、その謎はなかなか解けませんでした。

講座の修了に向けて、学びを深めようと「子どもの心のコーチング」を読み返していた時、15章にあった一文に答えを見つけたのです。
「親の期待が強く、その期待にそって日々干渉され、ヘルプされ続けると、子どもは『あるがままの自分ではいけない』というメッセージを受け取ることになります」という一文。
今まで読んでも気付かなかったのに、その時は、わが身を振り返り、これまで、彼にしてきた過干渉に思い至りました。

他の二人よりも、私の思うように動かなかった分、余計に私のべきに従わせようという関わり方が多かった。これまでの私の関わり方から、私は提案のつもりで言っていても、息子には「あなたのままではだめ」「こうしなさい」「こうありなさい」というメッセージになっているのだと気づいたのです。

ハートフルコミュニケーションで学ぶ前の私は、勉強ができた方がいい、健康のためには早寝早起き、そのためには、今の時間はこれを済ませておいた方がいいと、子どものためを思って、ではありましたが、子どもの気持ち、考えは置き去りにしていました。子ども自身のことなのに、私が自分のことのように、いろんなことを決めていたのです。

学んでから、子どものことは、子どもに任せるようになりましたが、良かれと思っての提案、アドバイスはしていたと思います。文を読んで、あー、そういうことだったんだ。だから、あんなに否定されたかのような反応が返ってきたんだと、腑に落ちました。

それと同時に、申し訳なさで、いっぱいになりました。
でも、息子に改めて自分の過ちを詫びて・・・というのは、無理だと思いました。
当時の息子は、いがぐりのようにトゲトゲした感じで(原因を作っていたのは私でしたが・・・。)落ち着いて、そんな話ができるとは思えませんでした。そして、私自身も、上手く伝えられるとも思えませんでした。

私のするべきこと、できることを考えました。
息子がこれ以上「ありのままの自分ではいけない」というメッセージを受け取らないようにすること。私のよかれは息子にとって、プラスになっていないのだから、提案もアドバイスも控えようと思ったのです。

それからは、声を掛けることが、息子にとってプラスだと思える時だけ、声を掛けるように心がけました。もちろん、おはようやおやすみの日常の声掛けや何か頑張っているのに気づいた時は、頑張ってるね。というプラスの声掛けは変わらず続けました。
1年、2年? 息子も成長し、私も余計なことを言わなくなり、トゲトゲした感じはなくなっていきました。

子どもが、大学受験の時、塾を辞め、自学で頑張りたいと言い出しました。
以前の私だったら、そのデメリットを挙げて、塾の継続をしつこく進めたと思います。その時は、息子の意志をしっかりと聞き、自宅ではだらけてしまうと思うので、レンタルルームを借りて欲しいという意向を受け入れ、応援することができました。そして、息子は、自分が選んだ大学に合格。信じて任せることができてよかったと思っています。

子育てを振り返り、申し訳なかったと思いつつも、息子が反発してくれたことに感謝しています。彼の反発がなかったら、私のやりかたのまま、息子を傷つけ続けたのではないかと思います。

自分の間違いに気づいた時、もう一つ、これから気を付けようと思ったことがあります。
それは、自分の「べき」が本当に必要なべきなのかを、自分に問いかけるということです。
自分が「べき」と思っていても、他の人はそう思っていないことが沢山ある。学校の支度は前の日にする。が当たり前と思っていても、出かける直前にする子もいる。約束の時間より少し前に待ち合わせ場所に行くべきと思っていても、ギリギリでも間に合えばOKの人もいるし、5分くらいの遅刻なら問題ないと思う人もいる。

自分の「べき」が必要なべきなのかを問いかけるようになって、身の危険に関係するような時のべきは譲れないけれど、手放せる「べき」が、結構あると思うようになりました。
そして、「べき」を手放すことで、そういうこともあるよね。と流せるようになり、私自身、楽になりました。
子どもたちが気付かせてくれたこと、学ばせてもらったことがたくさんあります。
子育てをしながら、自分も成長させてもらっていると感じています。

このあたりでバトンを岩田さんに渡します。

大阪府・安村典子 






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