ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

憑き物がついた私と不機嫌な息子


★★ ★ 第14回オンライン・ホッとカフェのご案内 ★★★

【日時】2023年5月21日(日)10〜12時 
【参加費】無料 
【話題にする日記】
「働くこと育てること」(秋岡美奈子)
【お申し込み】 https://ssl.form-mailer.jp/fms/ba819b4c782430

今回話題にする日記では、仕事と子育てのバランスに悩んだり、両立することに焦りや罪悪感を感じ揺れ動いた体験、だからこそ得られた気づきが綴られています。
筆者とともに、「自分にとって働くとはなにか」を、ざっくばらんに語り合いませんか? 言葉にすることで、あなたが一番大切にしたいこと、今は手放してもいいこと、ありたい姿を明らかにできるかもしれません。
※ 前回までの様子はこちらでお読みいただけます。

★★★

初めまして。東京の村井です。
過去の自分は、憑き物がついていたようでした。
常に不機嫌に見える長男を好きと思えませんでした。彼に振り回されて日々が過ぎていく感じがして、ほとほと疲れ果てていました。終わりのない修行のようで、園長先生やママ友に相談しても皆口を揃えて「そうは言っても我が子はかわいいのよね」という反応。
そうじゃない、誰も分かってくれない、自分はおかしいのかもしれない、と自分自身に対しても、周りに対しても、違和感を抱えていました。

「考え方は人それぞれ違う」と頭では分かっていても、いざ長男を目の前にすると「なぜこんなことをするの?」と、彼の行動が理解できず、理由を聞いたところで、彼が話すことは、自分の「あるべきこと」に照らし合わせるとまったく異なっている。

いちばん困ったのは、会話で彼が”うん、わかった”と発言したことをまるで忘れていて、聞いていない、知らない、だからやらない、ということがどの年代でも多々あったことです。
もしかすると話すタイミングが悪かったのかもしれないし、話したことが理解できていなかったのかもしれない。そんな発想ができず、長男の気持ちに寄り添うことも、受け容れることもできていませんでした。それは長男も八方塞がりで苦しかっただろうよ、と今となっては思います。
どうにかして自分の苦しい思いから脱したいと思っていた時、エニアグラムの講座
に出会いました。
それぞれの人が大切にする気持ちの軸が違う、ということを学びました。また、ストレスを感じた時に陥りやすい言動傾向も人によって異なることが分かり、私にとっては目から鱗な経験でした。

違うことに善悪の判断は必要なく、ただそこにあるのは「違う」という事実だけ、それを受け容れる。まわりの人を見る私のメガネは、今までピントがずれていたんだな、と気づきました。
やるべきことやルールを守ること、ついていくこと、つまり「彼の外の世界」にピントが合っていました。そこで、「子どもの心」にピントを合わせて見てみたら、そこには私が今まで見落としていた長男の大切にする価値観や思いがあふれていました。
たとえば、私は楽しいかどうかが何かをやるかやらないかを決める基準ですが、長男は価値があることかどうかが決める基準のように見えます。そして極めて合理的に物事を考えていて、何かを選ぶにしても、ほぼ即決。あらゆる選択肢をくまなく考える私とは大違いです。

また、言葉には出さなくても、人の感情は声色や表情で敏感に察知しているということが、彼と気軽に話すようになって分かってきました。
たとえば、弟の表情で落ち込んでいることを察知しても、じっと見守る。私が忙しそうにしていると、何も言わずに肩を揉みにきてくれる。長男が心優しいということを知ったのも、私の彼に対する見方を変えてから、気づいたことでした。

長男はどういう人かを観察し、「〇〇やってるね〜」「大変だったんだね」と気づいたことを言葉にして伝えていくと、私の気持ちもどんどん穏やかになっていきました。できていないことを無意識に探してしまうことは今でもありますが、ありのままを受け止めることができるようになったのだと思います。
長男も、今は表情も明るく変わり、怒鳴り散らすこともなく、穏やかに過ごしています。以前は理解できない、面倒な存在だった長男ですが、今は彼を1人の人間として敬意を払っています。

自分を苦しめていた憑き物はいったい何だったのか。「自己肯定感の低さ」と「「べき」の呪縛」と今となっては思います。
自分で自分を「これでいい」と認められない。自分の育ってきた過程を振り返ると、常に「現状に満足せず高みを目指せ」と親に教えられ、それに応えてきたことに繋がっているように思います。
メガネのピントを彼に合わせて過ごしていくうちに、いつの間にか私自身に対しても、「私はこうだから。色々なことを全て含めて自分だから」と思えるようになったことが、憑き物が取れるに至った経緯だったのだと思います。

過去の私には、こう言ってあげたい。
「すごく頑張っているんだね。疲れたよね。彼はどんな気持ちでいるんだろう。彼なりの理由があるのかもしれない。ちょっと目線を変えてみよう。あなたが見ている目の前の子どもは、成長過程の真っただ中にいる人。あなたの子どもなんだから、大丈夫。あなたと同じように、子どもにも素敵なところがたくさんあるよ。探してごらん。きっとラクになるよ」

次のバトンは、平沢さんに渡します。

東京都/村井雅子 






2023年04月24日(月) No.616 (日記)

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