ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

時にはテキトーでいい


石川県の石垣です。
「子どもの人生のシナリオを描くのは子ども本人」という、当たり前だけど忘れがちな大切なことを鈴木さんの日記で、また心に刻むことができました。私も我が子の人生を傍で見守り続けていきたいと思いました。

さて、今回は息子とのやり取りで、拍子抜けしたエピソードから学んだことを綴りたいと思います。

我が家の息子(小5)はとてもママっ子で、毎日5回以上はハグをし、毎晩添い寝をしています。夫がいる時も、息子にとって父は母の代わりにならないようです。だから、息子を置いて家を空けるなんてかわいそうでできない…と自分に制限をかけてきました。

そんな私は迷いはあったものの、やりたいことに参加するために初めて泊まりで県外に行く決断をしました。その日が近づくにつれ、息子は何度となく「本当に行っちゃうの?」「行かないで。」と言って私の顔を覗き込みます。そう言われるたびに、「うん…ごめんね。」と言葉を返す私の胸は痛み、罪悪感を感じました。

しかし、いざ行ってみるとどうでしょう。夜には夫と2人の生活を楽しんでいる様子が窺えました。さらに、翌朝、「いってらっしゃい!」を伝えようとモーニングコールをかけた時、すでに息子は家を出た後。あんなに寂しがっていたのに、声も聞かずに学校へ行っちゃったの!?とすっかり拍子抜けしてしまいました。 
な〜んだ、心を砕いて損した! と安堵すると同時に、罪悪感に苛まれていた自分を滑稽に感じました。こうして、私の一人旅は無事に終わりました。

しかし、帰宅してから数日後のこと。なんと、また拍子抜けする出来事が起こったのです!
ある日の夕方、息子は宿題を前に気が進まない表情で机に座っていました。すると突然、「あー、分からん!」と大声で怒り出し、「母さん、教えて!」と叫んだのです。
<教えてって言われても…食事の準備をしているところだし、キリの良いところまで待って欲しいなぁ>と困った私。「え? 教えて欲しいの?」と言葉を返しながらも、少しの間、下ごしらえを続けました。

私は手にしていた野菜を切り終えて息子を見ると、「こんなの嫌い!」と言いながら宿題のプリントを解き、「終わった!」と言うではありませんか。息子の要望を叶えようと急いで切った不揃いの野菜を前に、私はまたまた拍子抜けしてしまいました。

なーんだ、自分でできるじゃない! 息子の言葉を額面通り受け取ってすぐに教えなくて良かった〜と、心の中で反省。そして、息子は「宿題をやりたくない、嫌だ」、という気持ちを抱えきれずに、私にぶつけていただけなんだ。言葉や態度で気持ちを発散しながら、自分の中で葛藤を乗り越えようとしていたんだな、と思いました。息子にとって私は甘えられる人であり感情を受け止めてくれる人だからこそ、私に見せた姿なのではないかと感じました。

それから、私は過去にも同じような拍子抜けした経験がないか振り返りました。先日の外泊エピソードから余り日を空けずに起こった出来事だったので、私自身の受け止め方に何かヒントがあると思ったからです。すると、他にも息子の言葉を額面通りに受け取って取り越し苦労をしたり、無駄骨を折ったりするエピソードが思い出されました。

例えば、学校から帰宅した息子が「今夜は一緒に遊ぼう!」と言った日。いつものルーティンを変更して、たっぷり遊ぶ時間を作ったのに、当の息子は夜になってもまだ宿題が終わらない…。終いに「遊ばないの?」と聞くと「もういい」と言われる始末でした。

息子の言葉を額面通りに受け取って要望を叶えようする余り、自分のことを我慢したり、自分のペースを崩してまで必要以上に頑張ってしまうところが、私にはあるようです。勝手に言葉に振り回されて、息子の気が変わる度にガッカリする、どっと疲れを感じる、を繰り返してきました。
そんな私にとっては、息子の言葉に振り回されずに自分の機嫌を保ち、どっしりと構えた母=息子にとってのホームグラウンドになるために、時には要望に添えないこともある「適当」さがあって丁度いいかもしれません。

大切だと分かったのは、息子が言葉にした表面上の要望を叶えることではなく、息子の「その時」の思いを受け止めること。「今夜は一緒に遊ぼう!」と言ってきた時なら、夜になったら一緒に遊んで欲しいと「今は」思っているんだな、関わって欲しいんだなというように。
往々にして、息子の 「思い」 は刻々と変化します。私は、息子の言葉を額面通りに受け取って、それが変わらないと思い込むから、あれやこれやと物事を息子中心にしてヤキモキしてしまうのです。

次に「今夜は一緒に遊ぼう!」と誘われた時には、息子の「後で一緒に遊びたい(関わってほしい)」という「その時」の思いを受け止めつつも、「遊んであげなくちゃ!」と息子の言葉を額面通りに叶えようと頑張り過ぎずに、出来る範囲で要望に添っていきたいです。
息子の「その時」の思いを受け止めることは忘れずに、要望自体は時には聞き流したり、時には自分のことを優先するくらいの「適当」さをもって、もっと肩の力を抜きながら残りの子育てを楽しみたいと思います。

では、この辺りで村井さんにバトンを繋ぎます。

石川県/石垣恵美


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