ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

言葉がなくても


群馬県の山本です。
我が家の次男も食が細くて苦労しました。羽木さんがいろいろな工夫をされてきたことや思いの深さを感じ、共感しました。そして「罪悪感から卒業」の言葉に私まで一緒に救われた気持ちになりました。

新緑の葉が眩しい季節、息子の誕生日がやってきます。
毎年、誕生日が近づいてくると思い出すことがあります。何歳の誕生日だったか定かではありませんが(5歳頃だったかな…)、大きくなったなと成長を嬉しく思っていました。そして、なんとなく出た言葉です。
「大きくなったけど、抱っこしてほしい時は抱っこしてって、言っていいんだよ」
私がさらっと言った言葉に、息子はとても驚いていました。
「えっ!いいの?」
その反応はとても衝撃的で、大きな気付きを与えてくれました。

(我慢してたんだ。お兄ちゃんとして、頑張ってくれていたんだ)

こちらの知らぬ間に長男が我慢していたこと、私の言動や行動が彼に何かを感じさせ、我慢させていたことを悟りました。
一応、念のため…と軽い気持ちで言ったのですが、言ってよかったと今でも思います。なんとなくではありましたが「親の勘」が働いたと感じています。

長男は小さい時からよく歩いてくれました。おかげで次男をベビーカーに乗せて、近くの図書館や公園へ気軽に行くことが出来ました。なのでいつもありがたく思っていました。
もしかすると、私の思いは彼に伝わっていて、だから嫌な顔もせず、歩いてくれたのかもと思いました。そして、そのことへの感謝の気持ちが根底にあったからこそ、私の第六感が働いたように思います。
「親の勘」と思っていましたが、お互いの思いの相乗効果があったように思えてきました。

もう一つ思い出すエピソードがあります。
息子は2歳くらいだったと思います。初めてカブト虫を飼って、毎日餌をあげて、食べているところを見ていました。でも、カブト虫はだんだん元気がなくなり、夏の終わりにとうとう動かなくなってしまいました。
「お墓、作ってあげようね」
庭の片隅へ行き、穴を掘り始めました。

玄関で靴を履いて出る時から、息子の様子は何だか変でした。外へ出ても手伝うでもなく、じっと立ったまま何も言いませんでした。
その様子に違和感を覚えつつも、土をかぶせ、お墓を作りました。そしてふと顔を見た時に「泣きたかったら、泣いていいんだよ」
と声をかけていました。
すると、彼はワンワン泣き出しました。
私は本当にビックリしました。まさか泣くとは思ってもいませんでした。

落ち着いて考えてみれば、育てていたカブト虫が死んでしまい、悲しいとすぐにわかるのかもしれませんが、泣くほど悲しんでいるとはまったく想像していませんでした。どちらかというと、死んでしまったことをよくわかっていないのかなと思っていました。そして私自身は「仕方のない死」と受け止めていたのだと思います。
でも、息子にとっては身近な存在の「初めての死」だったのです。きっと心の中では、自分でも理解できない複雑な感情がグルグルしていたのでしょう。

今考えても、どうして「泣いていいんだよ」という言葉が出て来たのか不思議ですが、言葉では説明できない彼の気持ちを無意識に受け取っていたようです。そばにいて子どものことをよく見ることで、言葉にしていない何かまで感じ取っていたのだと思います。何かをしたり、話したりするだけでなく、ただそこにいたからこそ、できたことに思えました。
また、これは親だけでなく、子どももいろいろなことを感じ取り、無意識でもお互いの心に伝えあっていると感じました。

2つのエピソードを振り返り、ただそばにいることも意味があることだとわかり、親として励まされ、心強くなりました。
何もしてあげられることがないと感じても悲しむことなく、ただいることを選ぼう、そして良い相乗効果が生まれるように、これまで以上に心穏やかにあろうと思います。

それではこの辺でタスキを秋岡さんへお渡ししたいと思います。

群馬県/山本美徳 



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2022年05月02日(月) No.564 (日記)

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